研究課題/領域番号 |
22K20494
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0402:ナノマイクロ科学、応用物理物性、応用物理工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
周 偉男 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 若手国際研究センター, ICYSリサーチフェロー (20961593)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 横熱電効果 / スピンカロリトロニクス / 熱電変換 / 異常ネルンスト効果 / 磁性材料 |
研究開始時の研究の概要 |
温度勾配と直交する方向に起電力が発生する横熱電効果は,熱電変換に応用する際に簡単なモジュール構造を有するため,近年大きな注目を集めている.本研究は,熱電材料と磁性材料の新規な複合材料や複合構造を作製することにより,熱電材料のゼーベック効果を磁性材料の異常ホール効果により横熱電効果へと変換させる新規なゼーベックアシスト型横熱電効果を開拓し,それを用いて大きな横熱電能の実現を目標とする.
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研究成果の概要 |
本研究は,熱電材料と磁性材料を組み合わせて新規な複合材料や複合構造を作製することにより,ゼーベック駆動横型磁気熱電効果を利用して大きな横熱電能の実現を目指すものである.熱電材料と磁性材料を積層して電気的に接触する極めて単純な二層構造に着目し,その横熱電能を表す式を導出した.式を用いる計算より,二層構造の横熱電能がある厚さの比でピークを取り,横熱電能の増大が実現できることを予測した.作成した試料のトランスポート特性が予測した傾向を上手く再現し,最適な厚さの比を持つ試料において磁性材料単体よりも遥かに大きい横熱電能が観測された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,熱電材料と磁性材料を積層しただけのシンプルな構造において,ゼーベック駆動横型磁気熱電効果を利用して大きな横熱電能が得られることを実証した.積層構造のトランスポート特性における計算値と実験結果の良い一致から,複合材料を設計する際の重要な知見が得られた.従来熱電材料と磁性材料を組み合わせる際に使う閉回路構造と比べて積層構造が作りやすく応用上の汎用性が高いため,これを活用した新しい環境発電技術や高感度な熱流センサなどへの展開が期待される.
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