研究課題/領域番号 |
22K20497
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
村山 迪史 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (10964497)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 超音波法 / 右房圧 / 上大静脈 / 超音波エラストグラフィ / 心不全 / 心房細動 |
研究開始時の研究の概要 |
右房圧の上昇は全身のうっ血による臓器障害を招来し心不全患者の予後と関連する。右房圧の推定法として、超音波法による下大静脈の径とその呼吸性変動から推定する方法があるが、下大静脈指標に基づく右房圧の推定精度は十分でないという指摘もある。一方、我々はドプラ法による上大静脈の血流速度波形が右房圧推定に有用であることを報告した。しかし、本法は心房収縮を欠く心房細動患者には適用できない。心房細動は社会の高齢化に伴い急増しており、心房細動を合併した心不全患者における右房圧の正確な評価法を確立することの意義は大きい。本研究では、心房細動患者においても適用可能な非侵襲的右房圧推定法を確立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
右房圧の上昇は全身のうっ血による臓器障害を招来し、心不全患者の予後と関連するため、右房圧の評価は心不全の病態評価に不可欠である。右房圧の非侵襲的な評価法として、超音波法により計測した下大静脈の形態から推定する方法が普及しているが、下大静脈指標に基づく右房圧の推定精度は十分でないという指摘もある。米国心エコー図学会のガイドラインには、肝静脈の血流速度波形から右房圧推定を行う手法も提示されているが、この手法は、肝線維化の影響を受けて不正確になる可能性がある。最近、申請者は、超音波ドプラ法による上大静脈の血流速度波形が右房圧推定に有用であることを報告した。しかし、本法も有効な心房収縮を欠く心房細動患者には適用できないという限界がある。そこで、本研究では、心房細動患者を含む幅広い心疾患患者に適用可能な精度の高い非侵襲的右房圧推定法を確立する。 令和4年度において、科研費を用いて北海道大学病院の心エコー室の超音波診断装置にShear wave Elastographyキットおよびとコンベックスプローブ(右房圧の上昇に続発する肝臓のうっ血を定量化するためのアプリケーションと探触子)を導入した。現在、このアプリケーションを用いて、心臓カテーテル検査の2日以内に心エコー検査の予定が組まれた心房細動合併例を含む心疾患患者を対象として、①超音波ドプラ法による上大静脈血流速度波形の体位変換に伴う変化、ならびに②超音波エラストグラフィによる肝臓の硬さのデータ取得を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の研究計画として、令和4年度中に目標症例数100例の登録を予定していたが、北海道大学病院倫理委員会の承認を得るのに時間を要したこと、加えて、北海道大学病院の心エコー室の超音波診断装置にShear wave Elastographyキットおよびとコンベックスプローブを導入するまでに時間を要したために、症例登録開始が遅れてしまった。現時点で20例の症例登録を行っており、研究の進捗状況はやや遅れていると判断せざるを得ない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
必要に応じて症例登録期間を延長するなどの対策を講じ、目標症例数を充足できるように努める。今後、仰臥位時と座位時のそれぞれにおける上大静脈血流速度波形の変化と心臓カテーテル検査による右房圧実測値ならびに超音波エラストグラフィによる肝臓のうっ血の程度との関係の検討を進める予定である。
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