研究課題/領域番号 |
22K20500
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
多川 友作 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (20962517)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 圧力センサ / 熱膨張ポリマー / 静電容量型圧力センサ / フレキシブル圧力センサ / フレキシブルセンサ / ウェアラブルデバイス / 生体計測 |
研究開始時の研究の概要 |
飽食社会により二型糖尿病や肥満患者は増加し続けている。ウェアラブルな足圧分布測定は、糖尿病患者や肥満患者にとって、局所圧力集中による潰瘍予防や足部・体重管理のために重要である。高荷重のかかる足裏圧(最大で500 kPa以上)を測定するには、高荷重下でも高感度で柔軟な圧力センサが必要である。しかし、高荷重下では高感度性と柔軟性の両立が困難である。本研究では、柔らかさと空隙構造を簡便に調整可能なポリマーを用いて、上記課題を解決する荷重計測センサを提案する。また、作製されるセンサをインソールへ搭載することで足圧分布を計測し、ウェアラブルシステムで高精度な体重増減検知の実現性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、高荷重にわたって高感度かつ線形応答可能なフレキシブル圧力センサを、熱膨張ポリマーを使って実現した。熱膨張ポリマーを即座に加熱することで、ポリマーの径をばらつかせ、種々の荷重に応答するような直径分布のある内部構造にすることが可能となった。結果として溶液プロセス可能なフレキシブル圧力センサの中では世界最高の線形応答性・線形応答荷重領域・感度を達成した。これらの成果で、国際学会2件、国内学会2件、国際学術論文1報を報告した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フレキシブル圧力センサは曲面形状や生体などに張り付け、脈波や足底荷重、歯ぎしり等様々な信号取得に有効であった。静電容量型のセンサの場合、より高感度に信号を取得するためには、空隙構造を用いて見かけの初期容量を下げる手法が良く用いられるが、高荷重下では空隙構造が消滅してしまう。サイズの異なる空隙になるように鋳型を作製して界面制御することで、線形高荷重応答可能な圧力センサは報告されたが、溶液処理のみで可能なセンサはなく、本研究の学術意義は高い。また、高荷重下でも線形応答可能なため、靴底での応用やインソール圧力センサでの使用時にも非線形フィッティング等の複雑な較正は必要がない点が社会的に重要である。
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