研究課題/領域番号 |
22K20502
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
伊藤 一陽 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50963964)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | コラーゲン / 定量的組織性状評価 / 音波散乱 / 音響誘起電磁応答 / 音響誘起電磁(ASEM)法 / 生体計測 / 超音波 |
研究開始時の研究の概要 |
コラーゲンは、しなやかさを組織に与えることで組織の形を保つという重要な役割を担っている。そのため、コラーゲンの配向性の変化やそれによって生じる組織の力学特性の変化は、組織の機能不全の重要なバイオマーカの1つと考えられている。音響誘起電磁(ASEM)法は、コラーゲン線維の配向性を選択的に可視化できるツールとして、臨床現場への応用に期待が寄せられている一方で、コラーゲンの配向性や構造とASEM応答との関連性はこれまで深く追求されてこなかった。本研究では、コラーゲン線維の配向性や構造とASEM応答との関連性を、これまでに解析実績が多数報告されている組織学、音響学における知見と統合して明らかにする。
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研究実績の概要 |
コラーゲンは、しなやかさを組織に与えることで組織の形を保つという重要な役割を担っていると同時に、コラーゲンの配向性の変化やそれによって生じる組織の力学特性の変化は、組織の機能不全の重要なバイオマーカの1つと考えられている。 コラーゲンの力学特性を定量的に評価する技術として、音響誘起電磁応答を指標とした計測が提案されている。これは、超音波照射により電気・磁気分極を誘発し、周辺に生じる電場・磁場を検出する手法であり、コラーゲンの配向性を選択的に可視化できるツールとして臨床現場への応用に期待が寄せられている。 本研究では、これまで技術開発が先行していた音響誘起電磁応答を指標とした生体計測を、スケールが異なる2つの知見(組織学・音響学)と統合して明らかにする。2022年度は、まずコラーゲンの走行を音響的に評価する手法を確立することに注力した。本研究で対象としているコラーゲンは生体内で線維状に走行しており、模式的に表すと円柱形状をとる。これまでの音波後方散乱情報に基づく組織性状解析では、解析の主対象は細胞や脂肪滴など球形に模擬される形状であったため、円柱形状に則した解析手法を考案する必要が生じた。提案手法をコラーゲン組織からの計測信号に適用することで解析精度が向上し、生物学的な組織構造に適した散乱モデルを適用することで散乱情報の推定精度が向上したことが確認された。 また、音響誘起電磁応答の臨床現場への応用に向けた初期検討を行い、その後の要素技術開発につながる課題の洗い出しを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究期間1.5年のうちの半年間で、本研究における3本柱のうちの1本である音波の散乱情報に基づくコラーゲンの特性の評価プロトコルの確定ができたことから、おおむね順調に研究が進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に確立した音響的な解析プロトコルを基に、コラーゲンシートおよび試料を対象としたコラーゲンの特性評価を行い、音響誘起電磁応答が組織学・音響学的にどのような特徴量に起因しているのかを探る。
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