研究課題/領域番号 |
22K20507
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神田 雄大 京都大学, 医生物学研究所, 助教 (50964649)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ウイルスベクター / アクセサリータンパク質 / 遺伝子発現制御 / ボルナ病ウイルス / 遺伝子細胞治療 |
研究開始時の研究の概要 |
ウイルスベクターによる細胞への遺伝子導入は、遺伝子細胞治療の有効性や安全性を左右する重要な技術である。我々が開発したRNAウイルスベクター(REVec)は、iPS細胞などの幹細胞に高効率で遺伝子導入できることを特徴としている。しかし、導入後に遺伝子の発現を制御する技術が確立されておらず、実用化には至っていない。本研究では、REVecを有効かつ安全な遺伝子細胞治療ベクターとして発展させるため、REVecの遺伝子発現メカニズムとそれに関わるウイルス因子の機能解析を通じて、REVecの遺伝子発現を制御する技術を開発を目指す。
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研究実績の概要 |
ボルナ病ウイルスベクター(REVec)のアクセサリータンパク質(X)が、REVecの感染サイクルに与える影響を評価した。前年度までの研究で、ウイルスRNAの転写複製が効率的に行われるためにはXが必要であること、また、Xがウイルスタンパク質の核外輸送に必須であることを明らかにした。そこで本年度は、Xが感染性粒子の形成にも関与しているかを明らかにするため、感染細胞と非感染細胞の共培養実験を実施した。その結果、Xを発現させた場合には、非感染細胞への感染が確認されたのに対し、Xを発現させなかった場合には、非感染細胞への感染が確認されなかった。これらの結果から、Xはボルナ病ウイルスのRNA合成とタンパク質の核外輸送を制御することで、子孫粒子の形成に寄与していることが明らかになった。 XはREVecのRNAタンパク質複合体(vRNP)の中心として機能するリン酸化タンパク質(P)と結合することが報告されている。そこで、観察されたXの機能が、X単独の機能によるものか、あるいはPとの結合を介したものかを明らかにするため、Pとの結合に必要なアミノ酸に変異を導入したX(X/E11A)を作製し、同様の実験を実施した。その結果、X/E11Aを発現するREVecでも、Xを欠損させたREVecと同様の結果が観察されたことから、XはPと結合することでREVecのRNA合成やタンパク質の核外輸送、子孫粒子の形成を制御していることが明らかになった。
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