研究課題/領域番号 |
22K20515
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
谷口 卓 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (80964569)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | エラスチンペプチド / コアセルベーション / 自己集合能 / 薬物送達システム / 中分子 / 口腔粘膜 / エラスチン様ペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
中分子医薬品は標的特異性の高さなどから次世代創薬として注目されているが、安定性が低いため、より有効な薬物送達システムの開発が求められている。エラスチン由来の自己集合性短鎖型ペプチド(Short-ELP)は合成の簡便さ、生体適合性、薬物包含の可能性などの利点からDDS担体としての応用が期待されているが、中分子医薬品を包含可能であるかは不明であり、生体への効果的な投与方法についても情報が少ない。そこで、本研究ではShort-ELPに適応可能な薬物の分子サイズを明らかにする。次に投与方法として口腔粘膜吸収が適用可能かどうかを検討する。本研究成果は次世代創薬に対応可能なDDS担体の開発に繋がる。
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研究成果の概要 |
本研究は、次世代創薬として注目されている中分子医薬品をターゲットとしたDDS担体の開発を目的としている。我々が開発した合成の簡便さや生体適合性などの利点をもつエラスチン由来短鎖型ペプチドは、生理的条件下で高い自己集合能を示した。さらに、従来と比べてより大きな分子量のモデル薬物をペプチド内部に包含するとともに、徐放できることが示された。また、薬物の分解を避ける経路として期待される口腔粘膜上皮細胞を通過したため、この経路を介した投与の可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、エラスチン由来短鎖型ペプチドが生理的条件下で強い自己集合能を示すとともに、幅広い分子量のモデル薬物をペプチド内部に包含できることが明らかとなった。さらにこのペプチドが口腔粘膜を透過できることが示唆された。口腔粘膜は吸収性に優れており、薬効の即効性が期待されるだけでなく、胃腸管や肝臓での分解を回避できる経路である。また注射のような痛みもなく、嚥下困難な状況でも安全に投与することが期待できる。本研究により、中分子医薬品をはじめ経皮吸収が困難な美容成分などの幅広い化合物を、口腔粘膜を経由して投与するためのDDS担体としてこの短鎖ペプチドの利用が期待される。
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