研究課題/領域番号 |
22K20527
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福永 隼也 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (90962390)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | キラリティ / ナノカーボン / ダイアモンドの双子 / 構造化学 / π電子 |
研究開始時の研究の概要 |
高い対称性を持つ炭素性3次元物質「ダイアモンドの双子」のキラリティに着目し,種々の分子デザインと合成を通じてキラリティの特性を探究する.まず,構造の剛直化を指向した分子デザインによって,不斉合成・光学分割を通じてキラリティ発現の機構を解き明かす.また,ヘテロ元素のドーピングを施した分子デザインによっては,キラリティの伝播とそこから生まれる物性を探る.
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研究実績の概要 |
ダイアモンドは見た目だけでなくその構造も美しく,科学者の興味を惹き続けている.その構造の特徴は「強等方性」と「完全対称性」という性質されるが,近年その特徴を併せ持つ新しい炭素性3次元物質「ダイアモンドの双子」の存在が提唱されている.特筆すべきは,ダイアモンドの双子には,ダイアモンドにはないキラリティが存在するという点である.「ダイアモンドの双子のキラリティに着目した構造化学」と題した本研究は,ダイアモンドの双子に存在するキラリティの性質を構造化学の観点から解き明かそうとするものである. 本年度においては,研究計画に基づいて「構造拡張」をキーワードに検討を進めた.金属イオンとの相互作用とそのキラリティの伝播を明らかにすることを目的に,ダイアモンドの双子の最小かご分子の構造を多様化する合成ルートを開拓した.この検討の中で得られた分子において,ホスト-ゲスト化学に関連する想定外の発見もあり,解析を続けている.また,柔軟に形成・分解をする部位を組み込むことによって,最小かご単位を2つ融合させた構造へのアクセスも可能となった.現在,構造解析を検討中であるが,隣り合うかご構造同士でキラリティが伝播し,ネットワーク全体でキラリティが揃った状態が実現されている.以上のように,ダイアモンドの双子の構造を活用した分子デザイン・合成ルートの開発を進めることで,そのキラリティに由来する構造・物性に関する知見を明らかにしてきている.また,キラリティを持つ筒状/螺旋状ナノカーボン分子の物性に関する研究成果も報告している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画段階での目標にあげた「キラリティ伝播を活用した構造拡張」においては,合成ルートを開拓し足掛かりとなる分子群の合成に成功していることから,おおむね当初の想定通りに検討が進んでいると言える.一方,その中で得られた,ホスト-ゲスト化学に関する知見や,新たな分子デザインによる予備的な結果は,計画段階では想定していないものであった.
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今後の研究の推進方策 |
順調に計画が進行している部分については,金属イオンとの相互作用とそのキラリティの伝播を明らかにするという目的に向けて,計画どおりに進めていくこととする.新たな発見があった結果についても検討を続ける.柔軟に形成・分解をする部位を組み込むという分子デザインの有効性も示されつつあるので,この戦略も同時に推し進めることとする.
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