研究課題/領域番号 |
22K20533
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
佐々木 紀彦 鳥取大学, 工学研究科, 助教 (30962328)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 超分子集合体 / 糖鎖 / 超分子重合 / 超分子ポリマー / 精密重合 |
研究開始時の研究の概要 |
糖鎖からなる超分子集合体の合成に関する研究は、シクロデキストリンなどの一部のオリゴ糖を除いて、高純度な合成糖鎖の供給がボトルネックとなり、発展途上にある。本研究では液相電解自動合成装置を用いて糖鎖を迅速に合成し、糖鎖をモノマーとする超分子集合体の精密合成法の開発に取り組む。糖鎖構造と超分子集合体の相関を明らかにすることで、糖鎖からなる超分子集合体の精密合成法を確立することを目的とする。
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研究実績の概要 |
糖鎖から超分子集合体を構築するための前段階として、まず、分子間相互作用部位であるフルオロアルキル基を導入した単糖モノマーを合成した。得られた単糖モノマーを用いて超分子集合体の合成を検討した。単糖モノマーとして2位がフタルイミド基およびアジド基が置換された化合物を使用した。糖分子の3、4、6位に対して選択的にフルオロアルキル基を1つまたは2つ導入し、相互作用部位の導入位置が分子の自己集合挙動に与える影響を調べた。メチルシクロヘキサン溶液に7種類のモノマー分子を溶解させ、加熱した溶液をシリコン基板上に塗布し、自己集合の検討を行った。走査型電子顕微鏡観察の結果から、フルオロアルキル基の導入位置や2位の置換基が超分子集合体の形態に大きく影響を与えることを見出した。具体的には、粒子状、ファイバー状、リボン状の超分子集合体が得られた。また、SEM-EDSマッピング測定を行い、フルオロアルキル基が自己集合に及ぼす影響を確認した。超分子集合体を塗布したシリコン基板は撥水性を示すことを見出した。この撥水性は超分子集合体の形状に依存し、変化することが示唆されている。さらに、超分子集合体を形成していない場合では同様の撥水性を示さないことが確認されており、超分子集合体の構造に由来した機能の発現が示唆されている。現在までに単糖モノマーを用いた超分子集合体の合成とその撥水性を評価することができたが、オリゴ糖をモノマーとして用いることや超分子集合体の精密合成へと展開していくことが今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績に記載した通り、単糖モノマーを用いた場合における超分子集合体の合成に成功した。また、分子間相互作用の導入位置が超分子集合体の形態に影響を与えることを見出したため、今後はモノマー構造をオリゴ糖に拡張する予定である。糖をモノマーとした超分子集合体の形態を分子デザインにより制御できつつあるため、おおむね予想した通りに研究は進んでいるが、精密な超分子重合への展開が次年度の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
下記の三つの項目について検討を行う予定である。 1)糖鎖を用いた超分子集合体の合成 : 現在は、単糖モノマーを用いた場合の超分子集合体の合成に成功している。今後はより分子デザインが多様になるオリゴ糖を用いて、超分子集合体の合成を検討する。具体的には糖鎖合成中での超分子重合を行うために、糖鎖長が自己集合に与える影響を調査する予定である。 2)糖を用いたリビング超分子重合法の開発 : 現在、単糖モノマーからファイバー上の構造を構築できる条件を基に、糖からなる超分子集合体のリビング超分子重合の検討を行う。 3)糖鎖自動合成中での超分子集合体の合成 : 糖鎖を合成している反応場での超分子重合の検討を行う。上記の検討で調整した超分子重合の開始剤を糖鎖合成反応場に添加することで、精密な超分子重合の達成を目指す。
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