研究課題/領域番号 |
22K20541
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
増田 涼介 学習院大学, 理学部, 助教 (30965794)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | カルコゲン / カルベン / セレン / 硫黄 / ゲルマニウム / ケイ素 / 合成化学 |
研究開始時の研究の概要 |
電気的に中性なカルベン炭素は高反応性の化学種であるが、適切な安定化を行って取り扱いを容易にした安定カルベンは触媒や配位子として盛んに利用されてきた。しかしながらこのような安定カルベンの多くは窒素原子が隣接したものに限定され、性質のチューニングには限りがある。本研究では、16族元素を導入する分子設計により、既存の安定カルベンよりも高い性能を有する新規なカルベンモチーフを創製することが目的である。
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研究成果の概要 |
有機合成化学において重要な二価化学種であるカルベンの安定化には、窒素などの典型元素の電子供与が利用される。しかしながら、16族元素を隣接位に有する安定カルベンの例は少ない。本研究では、カルコゲノカルボニル典型元素化合物の光異性化による、新規な16族元素隣接カルベンの合成法を設計、検討を行った。その結果、目的の光異性化によるカルベンの生成の根拠は得られなかったものの、カルベン前駆体として設計したチオアシルシランやチオアシルゲルマンが安定に合成・単離できることを見出した。またこれらの結晶構造を初めて決定し、安定性について明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医薬品合成や材料合成において重要な有機合成反応の多くは、稀少な遷移金属を核とする触媒に依存している。一方で、大きなクラーク数を有し安価な典型元素を利用した合成反応の開発は、比較的立ち遅れている。本研究では、資源豊富な16族および14族元素を有する新規化合物群を合成し、その性質を明らかにすることで、埋蔵量の少ない遷移金属依存の有機合成から脱却する1つの礎を築いたといえる。
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