研究課題/領域番号 |
22K20543
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
Rashid Showkat 東京理科大学, 理学部第一部化学科, 研究員 (90961847)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ロタキサン / 動的挙動 / NMRスペクトル / スピロフルオレン / rotaxane / polymer / shuttling / spiro structure |
研究開始時の研究の概要 |
Rotaxane is an interlock compound composed of a ring structure and the axle structure. The location of the ring structure can be modified by various external triggers, making this molecule a very unique compound. In this study I will synthesize new rotaxanes. The movement of the ring component would be modulated by the chemical reaction. The rotaxane will be incorporated into the polymer structure, providing polymers with new properties.
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研究実績の概要 |
本研究では軸構造と環構造からなるインターロック化合物の1種であるロタキサンの合成とその構造、動的挙動に関する研究を行った。具体的には環構造に対称性の低いスピロフルオレン構造、軸構造にフッ素原子を導入することにより、対称性の低下した[2]ロタキサンを合成した。また、その動的挙動を精査するため、環構造の大きさが異なるロタキサン、軸構造の長さが異なるロタキサンを合成した。 次に、合成したロタキサンの構造とその動的挙動について1H NMR、19F NMRスペクトルを用いることにより検討した。対称性の低いスピロフルオレン構造を有するロタキサンにおいては、その非対称性を反映したスペクトルデータが得られた。すなわち、ロタキサンの軸構造の右側と左側は環構造のスピロフルオレン部位のために非対称化し、2組のシグナルが観測された。1H NMRスペクトルでは多数のシグナルが観測されるが、19F NMRスペクトルではシグナルが2つのみ観測されるため、解析が容易であった。また、軸分子がロタキサンへと変換されることにより、シグナルの高磁場シフトが観察され、環構造が小さい場合にはその変化量が大きくなることが判明した。さらに軸構造の長さが異なるロタキサンについてスペクトルを解析したところ、ロタキサンにおける環構造の局在化が起こっていることを明らかにした。 以上の結果はロタキサンにおいて、特に大きな相互作用が存在しない場合でも環構造が局在化することを明らかにするものであり、インターロック化合物の動的挙動に関して重要な知見を与えるものである。今後この知見を活用し、ロタキサンの動的挙動の制御を実現につなげていきたい。
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