研究課題/領域番号 |
22K20557
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0502:無機・錯体化学、分析化学、無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
向吉 恵 京都大学, 理学研究科, 助教 (80965137)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ナノ粒子 / ハイエントロピー / 多元素 / 金属硫化物 / ナノシート / 触媒 / ナノ材料 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ハイエントロピー硫化物ナノ粒子の合成指針を確立し、革新的ナノ材料を創製すること、および多元素化が硫化物ナノ粒子の物性に与える影響を触媒特性中心として調べることを目的とする。硫化物ナノ粒子は、多様な構造を持ち複数の反応サイトを有することから革新的な触媒材料として注目を集めている。金属ナノ粒子に見られるように、硫化物ナノ粒子においても多元素化による新規物性の発現が期待できるが、合成難易度の高さからこれまでほとんど報告例がなく、その物性については知見が乏しい。本申請研究により創出される革新的なナノ材料によって、触媒・材料開発の自由度が広がり、更なるナノ材料科学の飛躍・展開が期待される。
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研究実績の概要 |
本研究では、ハイエントロピー硫化物ナノ粒子の合成指針を確立し、革新的ナノ材料を創製すること、および多元素化が硫化物ナノ粒子の物性に与える影響を触媒特性中心として調べることを目的とする。硫化物ナノ粒子は、多様な構造を持ち複数の反応サイトを有することから革新的な触媒材料として注目を集めている。金属ナノ粒子に見られるように、硫化物ナノ粒子においても多元素化による新規物性の発現が期待できるが、合成難易度の高さからこれまでほとんど報告例がなく、その物性については知見が乏しい。本申請研究により創出される革新的なナノ材料によって、触媒・材料開発の自由度が広がり、更なるナノ材料科学の飛躍・展開が期待される。 2023年度は、2022年度の結果を踏まえ多元素金属硫化物ナノ粒子の合成法改良と詳細な構造解析を行った。ホットインジェクション法を用い、Co,Ni,Nb,Mo,Wからなる多元素金属硫化物ナノ粒子の合成を行った。XRFとSTEM-EDX解析の結果、得られたサンプルは狙い通りCo,Ni,Nb,Mo,W元素が一様に固溶した多元素金属硫化物を形成していることを確認した。またXRDとHAADF-STEM観察による構造解析の結果、得られたサンプルが2H-MoS2層状構造を有し、厚み1,2層程度のナノシートを形成していることが分かった。これらの結果を踏まえ、2024年度は触媒評価を中心とした物性評価を実施予定。また得られた新規物について各元素の詳細な電子状態の測定や、さらなる多元素化についても検討予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者は2022年11月から2023年6月の間産前産後および育児休暇を取得しており、一時研究を中断することになった。 2023年7月から研究再開により、復帰後の合成検討により新規多元素硫化物ナノ粒子の合成に成功した。さらに合成したサンプルがナノシートを形成していることも見出しており、おおむね計画通りに研究は進んでいる。 補助事業期間延長申請は申請済であり、得られた新規物の物性評価は延長した研究期間中に実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
得られた新規物について、触媒評価を中心とした物性評価を実施予定。また物性と構造・電子状態との相関について情報を得るため各元素の詳細な電子状態の測定や、オペランド測定についても検討を行う。さらなる多元素化についても検討予定である。
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