研究課題/領域番号 |
22K20558
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0502:無機・錯体化学、分析化学、無機材料化学、エネルギー関連化学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
檜垣 達也 京都大学, 化学研究所, 助教 (70964881)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 金属クラスター / クラスター錯体 / 鉄族元素 / 超常磁性 |
研究開始時の研究の概要 |
鉄やコバルトなどの鉄族元素はバルク状態で強磁性を示すが、これらの金属粒子は一定のサイズより小さくなると超常磁性を示すことが知られている。本研究では、鉄族原子を含む配位子保護金属クラスターを精密合成し、磁性を測定する。また、単結晶X線構造解析により、合成したクラスターについて原子レベルでの正確な構造決定を行う。クラスターの磁性と三次元構造についての知見を組み合わせることで、超常磁性状態が発現する機構について深く理解する。
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研究実績の概要 |
本研究は鉄族金属クラスターの精密合成・構造決定・磁性の評価により、超常磁性状態発現のメカニズムについて深く理解することを目的としている。この目的を達成するため、初年度に当たる本年度は、クラスター合成の前駆体となるかさ高い配位子を有する低配位Fe(II)、Co(II)またはNi(II)錯体を合成した。それぞれの錯体は既報に従って合成し、昇華、蒸留、または溶液からの再結晶により精製した。得られた化合物はNMRなどの分光測定により同定を行った。これらの反応前駆体を、配位子の存在下でホウ素試薬であるピナコールボランと反応させることで、目的物である配位子保護クラスターの合成を試みた。前駆体と配位子の比や反応溶媒の種類、そして反応温度などの条件を最適化した結果、目的化合物であるクラスターが再現良く結晶として得られた。合成したクラスターについては、X線構造解析により幾何構造を決定し、質量分析法により化学組成を確認した。合成条件を検討する中で、鉄やコバルト錯体では気泡の発生と共に速やかに反応の進行が確認された一方で、ニッケル錯体については一部の前駆体が未反応のまま残ることが判明した。その結果、ニッケル錯体を用いた反応では収率が著しく低く、反応条件をさらに改良し収率を向上する必要がある。また、いくつかのクラスターについては、目的物のクラスターが単核錯体もしくは数個の金属原子からなる小さなクラスター錯体とのイオン対として得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
鉄もしくはコバルト錯体を前駆体として用いた反応においては、本研究の目的であるクラスターの合成を達成したが、一方で、ニッケル錯体を用いたクラスター合成については、クラスターの生成を確認したものの収率が低く、反応条件の更なる改良が必要であるため。
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今後の研究の推進方策 |
ニッケル錯体を用いたクラスター合成については、ピナコールボランに代わるホウ素試薬としてBH3-THFやカテコールボランを使用することで、未反応の錯体が残らないよう反応条件を最適化し収率の向上を目指す。また錯体とのイオン対として得られたクラスターについては、溶液中でイオン交換を行うことで、有機分子など金属原子を含まない化合物とのイオン対として単離する。単離されたクラスターについては順次磁性を測定する予定である。
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