研究課題/領域番号 |
22K20566
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 学習院大学 (2023) 東京大学 (2022) |
研究代表者 |
星野 翔太郎 学習院大学, 理学部, 助教 (10962988)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 有機ヒ素天然物 / 放線菌 / 二次代謝 / 生合成 / 単離構造決定 / メタボローム解析 / 有機ヒ素化合物 / 天然物 |
研究開始時の研究の概要 |
微生物が生産するヒ素二次代謝産物は優れた生理活性を持つが、その生合成経路や構造多様性に対する知見は限定的である。最初に本研究では放線菌におけるヒ素二次代謝経路の立証を目的として、モデル放線菌Streptomyces lividans 66株が生産する構造未知の有機ヒ素化合物及びその推定生合成遺伝子クラスターに着目し、同株が生産する有機ヒ素化合物の構造決定と生合成経路の解明を目指す。続いて上記の生合成遺伝子に対するホモロジー検索とメタボロミクス解析手法を組み合わせ、更なるヒ素二次代謝産物生産放線菌の開拓及び新規ヒ素二次代謝産物の獲得を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では最初に、放線菌Streptomyces lividans 66が生産する構造未知有機ヒ素代謝物(bisenarsan)の単離構造決定を目指した。微量精製物に対する予備的な構造解析から、生合成前駆体を予測・化学合成し、培地添加する事でbisenarsanの生産性を向上させた。これにより詳細なスペクトル解析を経て構造決定に至り、更に抗菌活性に関する知見も得られた。 またbisenarsan生合成への関与が示唆されており、他の放線菌ゲノムにも広く分布が認められていた2つの酵素遺伝子について、実際にbisenarsan生合成に関与する事を遺伝子破壊及び遺伝子相補実験により示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、微生物二次代謝によって生産される有機ヒ素化合物に優れた生理活性が見出された一方で、微生物ヒ素二次代謝に関する知見は依然乏しかった。本研究で化学構造が解明されたbisenarsanは放線菌二次代謝産物として同定された初の有機ヒ素化合物であった。すなわち、生理活性天然物の主要な生産者である放線菌において、ヒ素二次代謝経路の存在を実験的に立証された点で本研究は大きな学術的意義を持つ。 また、本研究でbisenarsan生合成への関与が立証された酵素遺伝子は他の放線菌ゲノムにも広く分布する事から、今後多様な代謝経路によって様々な生理活性を備えた有機ヒ素天然物の獲得に繋がることが期待される。
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