研究課題/領域番号 |
22K20573
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
渡邉 康太 東京農業大学, 応用生物科学部, 助教 (70966134)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ヒト毛髪 / 頭皮 / 細菌叢 / ヒトマイクロバイオーム / 毛髪 / 応用微生物 |
研究開始時の研究の概要 |
人体表皮と同様に毛髪にも個人固有の細菌叢の存在が明らかとなっている。我々は毛髪付着細菌と頭皮との相互作用の解明を目的に、本研究を遂行する。まず毛髪付着細菌の分布を検討すべく、前髪や頭頂部等、複数部位の毛髪を採取し、次世代シーケンサーによる解析を行い部位間ごとに形成される毛髪細菌叢の特徴を調査する。また、頭皮の皮脂や毛髪の脂肪酸分析を行い、細菌叢の結果と組み合わせ頭皮との相互作用の有無を評価する。
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研究成果の概要 |
ヒト毛髪には人体他部位と同様に一定量の細菌が常在し、個人で固有の菌叢が形成されることが明らかになりつつある。これまでの研究にて毛髪細菌叢に影響する要因についても明らかとなってきた一方で、頭皮・毛髪と毛髪細菌との相互作用については未だ明らかとなっていない。本研究ではまず、採取部位間での細菌叢の分布の違いを調べるため、頭頂部をはじめとした5つの部位から毛髪を採取し細菌DNA抽出後、16S アンプリコン解析にて菌叢の違いを比較した。その結果、被験者間では細菌叢が有意に異なる一方で、採取部位間では有意差がなく、同一被験者において毛髪細菌叢は部位の違いによらず一定であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人体常在細菌は腸内や口腔内、皮膚を中心に広く解析される一方で、毛髪に付着する細菌叢の解析報告は少なく、その生態については多くが未解明である。本研究にてヒト毛髪に付着する細菌の生態を幅広く調べ、常在性や共生関係があることを明らかにすることは、微生物生態学分野での学術的独自性があると考えられる。また、本研究結果は発端となった法医学分野における犯人の異同識別の改良だけでなく、毛髪付着細菌の生態や毛髪や当人の関連性を明らかにすることで、ヒト毛髪の健康維持や新たな洗髪剤や化粧品開発への応用といった創造性もあると考えられる。
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