研究課題/領域番号 |
22K20574
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
高山 喜晴 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 主席研究員 (00343989)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ラクトフェリン / 血管内皮増殖因子 / 血管新生 / 腫瘍細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
ラクトフェリンは乳に含まれる鉄結合性のタンパク質であるが、局所投与や経口投与により大腸癌や肺癌等の増殖や転移を防ぐ機能がある。腫瘍細胞は、血管新生促進因子を分泌することで増殖に必要な酸素や栄養分を獲得する性質があり、血管新生を阻害することは腫瘍細胞の増殖や転移を防ぐ効果がある。本研究は、血管新生促進因子として間質細胞由来因子に着目し、ラクトフェリンが間質細胞由来因子の働きを阻害することで血管新生を抑制するか否か検討を行う。
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研究実績の概要 |
血管内皮細胞増殖因子-A(VEGF-A)によって誘導される血管新生に対するラクトフェリンの阻害効果と、その分子メカニズムについて検討を行った。ラクトフェリンがケモカイン受容体であるCXCR4を介して、その血管新生阻害効果を発揮しているとの仮説の下に研究をおこなった。この仮説を実証するため、第一にヒト血管内皮細胞(HUVEC)において、CXCR4のアンタゴニストであるAMD3100を添加した場合、もしくはCXCR4の発現を抑制した場合、VEGF-Aによる血管新生が、ラクトフェリン(特に血管新生阻害効果がNローブと比べて顕著であることが確認されているラクトフェリンCローブ断片)によって阻害されるかを、コラーゲンゲル内でVEGF-Aの存在下で包埋培養したHUVECを管腔マーカーであるCD34抗体で免疫染色することにより評価した。第二に、HUVECにおけるVEGF受容体の活性化(リン酸化)が、AMD3100の存在および非存在下で、ラクトフェリンおよびそのCローブ断片により阻害されるか否かについて、生化学的手法を用いて検討をおこなった。しかしながら、これらに対するラクトフェリンの阻害効果は現時点では確認できておらず、ラクトフェリンの血管新生阻害効果がCXCR4を介していることを示す結果は得られていない。したがって、HUVECにおいてはラクトフェリンの血管新生阻害効果は、CXCR4以外のラクトフェリン受容体を介している可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初予定していた、ケモカインSDF-1α(間質細胞由来因子-1α)によって誘導されるヒト臍帯血由来血管内皮細胞(HUVEC)の管腔構造形成に対するラクトフェリンの効果が検証できていないので「遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度移行は、血管内皮増殖因子(VEGF)によって誘導される血管新生に対してラクトフェリンが阻害するか否かを検討する予定である。
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