研究課題/領域番号 |
22K20575
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
小島 新二郎 国立感染症研究所, 治療薬・ワクチン開発研究センター, 研究員 (60967793)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | バクテリオファージ / 薬剤耐性菌 / ゲノム改変ファージ / 抗ファージ免疫機構 / ファージ療法 / ファージ合成 / 遺伝子欠損ファージライブラリ |
研究開始時の研究の概要 |
近年、抗生物質の効かない薬剤耐性菌による死亡者数が増加しており、世界的な問題となっている。これまでに、抗菌薬治療に代わる治療方法として、細菌を特異的に殺菌するウイルスであるバクテリオファージ(ファージ)を用いたファージ療法の開発が試みられている。しかし、現在のファージ療法の技術では患者に感染した細菌を殺滅できないことがファージ療法の最大の障壁となっている。この障壁を取り払うためには、治療に必要な高い殺菌力を持つファージの確保が重要である。そこで申請者は、大腸菌を用いたランダムミュータジェネシスの手法を用いて、高効率殺菌ファージ(キラーファージ)を構築し、治療効果の高いファージ療法を目指す。
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研究成果の概要 |
抗菌薬治療に代わる治療方法として、バクテリオファージ(ファージ)を用いたファージ療法の開発が試みられている。しかし、現在のファージ療法の技術では患者に感染した細菌を殺滅できないことがファージ療法の最大の障壁となっている。そこで申請者は、独自に環境中から分離したファージ(DruSM1)の全遺伝子欠損株ライブラリを作製し、遺伝子欠損による殺菌力への影響を解析した。その結果、2種類の遺伝子欠損ファージにおいて、細菌の持つ抗ファージ免疫機構から逃避することにより、親株よりも殺菌力が向上した。本研究の成果は、より治療効率を向上させルための治療用ファージの開発に貢献する知見を提供する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、抗生物質の効かない薬剤耐性菌による死亡者数が増加しており、世界的な問題となっている。2050年には耐性菌を起因とする死亡者数が年間1,000万人に達すると見積もられている。本研究では、抗生物質の代替としてのファージ療法をより治療効率の高いものにするために、ファージゲノムの改変を駆使した殺菌力の向上を試みた。本研究の成果は、薬剤耐性菌の制圧に向けたファージ療法の洗練化に貢献するとともに、ファージの殺菌力を減弱させる細菌が保有する数多くの抗ファージ免疫機構に対処する必要があることも明らかにした。
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