研究課題
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果実形質に対するゲノミック選抜(GS) を成功させるためには、単純な一時点の予測ではなく、多様な果実の成熟パターンを理解し、それぞれの果実の収穫適期と果実形質を同時にかつ高精度に予測するための仕組みが必須である。本研究では、経時的に取得された様々なカンキツ品種の果実の酸含量と果実断面の画像データの情報を、ゲノム情報と結びつけて解析を行うことで、将来できる果実の収穫適期と果実形質を同時に予測するためのGSシステムを開発する。
ゲノム情報を活用した育種法(ゲノミック選抜:GS)は効率的な果樹育種を促進できる可能性がある。本研究では複数時点のカンキツの果実画像からさまざまな果実形態の情報を効率的に取得する方法について検討した。果実画像から得られた果実形態の情報を用いて、複数の統計モデルによるケノミック予測(GP)を行い、果実形態に対するゲノム育種の可能性を評価した。いくつかの果実形態では、高いGP精度を示し、高い精度でGSを行える可能性があることがわかった。また、複数の時点でサンプリングされたカンキツのさまざまな器官のRNAを用いた解析により、果実形態の特徴に関連する候補遺伝子を複数同定することができた。
本研究成果により、いくつかのカンキツの果実形態では、高い精度でGSを行える可能性を示した。望ましい果実形態を有する有望な個体を、芽生えの段階で早期に予測して選抜することができるようになり、果樹育種を効率化できる可能性がある。カンキツの果実画像からさまざまな果実形態の情報を効率的に取得する方法については、他の果樹育種への応用も可能である。
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JATAFFジャーナル
巻: 10 ページ: 6-11