研究課題/領域番号 |
22K20580
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0602:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
足助 聡一郎 神戸大学, 農学研究科, 助教 (90882514)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | いもち病菌 / 抵抗性遺伝子 / オオムギ / コムギ / 非病原力遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
オオムギの各種いもち病菌に対する抵抗性は、7H染色体上に座乗する単一の遺伝子座Rmo2のalleleによって支配されている。これまでに本遺伝子の単離に成功し、その病原菌認識範囲は、各alleleが有する特定のドメインによって決定されていることが示唆された。また、Rmo2のコムギホモログはいもち病菌群-コムギ間特異性を決定する抵抗性遺伝子の一つであるRwt7であることが判明し、本遺伝子はムギ類の病害抵抗性において基幹的な役割を担うことが示唆された。本研究では、これら抵抗性遺伝子の病原菌認識機構の解明及びその遺伝子機能進化過程の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
オオムギのいもち病抵抗性遺伝子Rmo2とコムギの抵抗性遺伝子Rwt7は共にprotein kinaseをコードしており、それぞれ非病原力遺伝子PBY2およびPWT7を認識する。Rmo2とRwt7のN末端にはHMAドメインが存在し、エフェクター認識の役割を果たすと考えられた。そこでドメインスワップコンストラクトを用いたプロトプラストアッセイを試みたところ、Rmo2-HMAはPBY2を、Rwt7-HMAはPWT7を特異的に認識することが明らかになった。また、イネおよびアワいもち病菌のエフェクターを立体構造に着目して選抜したところ、Rmo2によって認識されるエフェクターを一つ見出すことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NBS-LRR型抵抗性遺伝子に見られるintegrated domainによるエフェクター認識メカニズムが明らかにされる中、本研究では、protein kinase型抵抗性遺伝子における同ドメインのエフェクター認識機構の一端を解明した。 その結果、統合ドメインによる認識拡張が、分子種に依存せず抵抗性遺伝子の分子機能進化において重要な役割を果たすことが示唆された。 この認識機構を応用することで、新たなエフェクターを標的としたムギ類の分子抵抗性育種技術の開発が期待される。
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