研究課題/領域番号 |
22K20583
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0602:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
津島 綾子 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 助教 (50965077)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 植物病原真菌 / 比較ゲノミクス / オルソグループ / Colletotrichum / 恒常発現株 / 相同遺伝子 / 形質転換 / k-mer |
研究開始時の研究の概要 |
植物病原真菌同士の比較解析により、植物病原真菌の異なるニッチへの適応が明らかにされてきた。しかし、その前段階、つまり真菌がどのように植物病原性を獲得したのかはほとんどわかっていない。植物病原真菌を特徴づける因子を明らかにするには、それ以外の種を比較対象として、真菌界全体を網羅した大規模な解析を行う必要がある。 本研究では、1000種以上の真菌ゲノムを比較して植物病原性の獲得と同じ進化的軌道を示す相同遺伝子グループを同定する。さらに、得られた候補遺伝子の病原性への寄与をモデル実験系を用いて効率的に検証する。これらの解析により、本研究は植物病原性獲得の根本に関わる新奇因子の発見を目指す。
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研究成果の概要 |
真菌界において植物病原体というライフスタイルへの適応がどのように起こったのかはほとんどわかっていない。本研究は植物病原性獲得の根本に関わる新奇因子の発見を目的として、植物病原真菌に特徴的な遺伝子の探索と機能解析を行なった。その結果、植物病原子のう菌の間で特異的に保存された6BP-2遺伝子を恒常発現するColletotrichum higginsianumの病原性が低下傾向を示すことを明らかにした。このことから、6PB-2は病原性に必要な一方、植物は6BP-2を認識し防御応答を誘導しているのではないかという新たな仮説が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、植物病原性を示す子のう菌のゲノム上に特異的に保存された6BP-2遺伝子の機能解析を行なった。その結果、この遺伝子を恒常的に発現するモデル植物病原子のう菌は野生型に比べ病原性が低下する傾向にあることを明らかにした。これにより、6BP-2遺伝子が病原性に重要な一方、植物は病原菌が共通にもつ因子を認識し防御応答を誘導しているのではないかという新たな作業仮説が得られた。今後、6BP-2の機能をさらに詳細に明らかにできれば、植物-病原体間の共進化に関する理解が深まるだけでなく、新たな植物保護技術への応用も期待できる。
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