研究課題/領域番号 |
22K20585
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0602:生産環境農学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター |
研究代表者 |
岩崎 真也 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 農村開発領域, 任期付研究員 (40915261)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 土壌炭素 / 畑土壌肥沃度 / 気候変動レジリエンス / キャッサバ / 土壌炭素貯留 / 長期連用試験 / 土壌肥沃度 / 畑土壌 / 極端気象 / 畑作物 |
研究開始時の研究の概要 |
応募者の所属する国際農林水産業研究センターではタイ農業局と連携し、タイ国内の6地点で40年を超える長期連用試験を実施し、有機物施用を含む営農管理が土壌炭素貯留と作物収量に与える影響を追跡してきた。本研究では、新たに長期連用試験圃場において土壌を網羅的に採取し、土壌物理・化学・生物性の変化を解析することで、炭素貯留と土壌肥沃度の向上との関係を明らかにするとともに、多変量解析によって作物生育を規定する土壌因子を抽出し、熱帯農地における土壌肥沃度の指標を創出する。そして極端気象下での土壌炭素貯留量と作物収量の関係に注目し解析することで、土壌炭素貯留による気候変動レジリエンスの向上への影響を評価する。
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研究成果の概要 |
タイにおける45年以上に渡る長期連用試験を対象とし、土壌の網羅的解析による土壌理化学性変化の総合的理解と、炭素貯留による気候変動レジリエンス向上の評価を目的とした。長期間の営農管理の違いによって、土壌構造など土壌物理性と、土壌炭素の垂直分布の違いを確認した。また、構造方程式モデリングを用いて営農管理の違いが土壌炭素貯留、土壌物理化学性、および作物収量に与える影響の相互作用を可視化した。砂質土壌では、土壌有機物に由来する水分及び養分保持機能が粘質土壌に比べて卓越し、相対的に土壌炭素貯留による作物収量向上効果が大きいことが明らかになった。成果は、国内外の学会で報告し、原著論文として投稿した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国際的に炭素排出量の低減がうたわれるなか、土壌炭素貯留への期待も高まっている。しかしながら高温多湿環境により、土壌有機物分解が卓越する湿潤熱帯地域において、温帯や亜寒帯を中心に進んできた炭素動態メカニズムをそのまま適用することはできない。熱帯では最大規模の長期連用試験をもとに炭素貯留量の算定と作物生産への影響を示した本研究の意義は大きい。また、土壌型によって、有機物施用による土壌炭素貯留速度および土壌炭素が肥沃度向上に与える影響が異なることが明らかになったことは、土壌炭素動態モデルの構築に大きく寄与する。
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