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亜高山帯に分布するオオシラビソにおける樹体内炭素分配と成長量の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K20591
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0603:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
研究機関京都大学

研究代表者

田邊 智子  京都大学, 生存圏研究所, 研究員 (40967402)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード気候変動 / 森林 / 生産量 / 樹体内炭素分配 / パルスラベリング / 炭素安定同位体 / フェノロジー / Abies / 炭素蓄積量 / マツ科 / 地上部成長量 / 地上部生産量 / 炭素分配
研究開始時の研究の概要

樹木の炭素固定量とその気候応答解析は全球的な喫緊の課題である。従来の研究では、ある高さの幹の肥大量を指標とし、気候との関係を網羅的な統計解析により指摘するに留まっていた。本研究の目的は、樹木成長量に直接影響を与える光合成期間を特定することである。幹と枝の伸長量と肥大量に着目し、成長期間をフェノロジーで区切ったうえで、各成長に使われる炭素がいつの光合成に由来するかを明らかにする。樹木成長量の気候応答解析の際に着目すべき期間を、根拠を持って提示できるようになることが期待できる。

研究成果の概要

研究期間に3年生のモミ(Abies firma)苗80個体を育て、幹枝の伸長成長と肥大成長を対象に成長期間の計測と炭素安定同位体をトレーサーとしたパルスラベリング実験を行った。計画当初は材料をオオシラビソ(Abies mariesii)としていたが、必要な本数の苗を準備することが困難であったため、同じ属のモミを材料とした。幹枝ともに、伸長成長終了後に肥大成長が開始した。成長時期の違いから、伸長成長と肥大成長は影響する気候要因も異なる可能性が明らかになった。成長期間の結果に基づいて季節を分割し、その間にラベリングを実施した個体の同位体分析をすべく試料の準備を継続中である。

研究成果の学術的意義や社会的意義

木部生産に使われた炭素は長期間樹体内に留まるため、中長期的な地球の炭素循環を考えるうえで重要なパートである。木部は伸長成長と肥大成長を毎年繰り返すことで体積が増え、地上高1.3 m位置の肥大量は木部生産量の指標とされてきた。しかし本成果を受け、モミの伸長と肥大は成長期間が重複しておらず、成長中の気象条件が全く異なることが明らかとなった。これは、成長に影響する気象の要素やその時期が、伸長と肥大とでは異なることを示唆している。従来の指標で年単位の木部生産量を評価して気象と解析する方法では、少なくともAbiesにおいて、個体レベルの木部体積増加に影響する要素を抽出できていないかもしれない。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 その他

すべて 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [学会発表] モミ苗木における幹枝の形態とフェノロジー2024

    • 著者名/発表者名
      神代花穂, 田邊智子, 隅田明洋
    • 学会等名
      第135回日本森林学会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 炭素安定同位体を用いた樹木炭素蓄積量に影響する要因の解明2024

    • 著者名/発表者名
      田邊智子, 高橋けんし
    • 学会等名
      第515回生存圏ミッションシンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [備考] 炭素安定同位体を用いた樹木炭素蓄積量に影響する要因の解明

    • URL

      https://www.rish.kyoto-u.ac.jp/fellows/2023m03/

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2022-09-01   更新日: 2025-01-30  

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