研究課題/領域番号 |
22K20592
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0603:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
春日 貴章 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (40915584)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | セルロースナノファイバー / 電気泳動堆積 / 電着 / 電気浸透 / ハイドロゲル / 脱水処理 / 脱水 / 配向制御 / 高分子フィルム / ナノセルロース / 脱水・濃縮技術 |
研究開始時の研究の概要 |
セルロースナノファイバー(CNF)とは主に木材を原料とする機能性ナノ繊維である。軽量、高強度、高耐熱且つ持続可能であることから実用化が進められているが、原料となるCNF/水分散液は98%以上が水であり、脱水工程の省エネルギー化、高速化技術が求められている。本研究では、CNFの電気泳動堆積現象を用いた新規脱水・濃縮技術の創成を目指す。電気泳動堆積現象に寄与する電気泳動的作用と電気化学的作用を切り分け、最重要となるパラメータを解明する。
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研究成果の概要 |
本研究ではCNFの産業利用の加速に向け、CNFの電気泳動堆積現象に着目した新規脱水技術の開発に取り組んだ。0.2 wt%のTEMPO酸化CNF/水分散液をターゲットとして印加電圧10 Vで脱水を行ったところ、1時間後には固形分濃度 約1.6 wt%の濃縮CNFハイドロゲルを得ることに成功した。その際、脱水に必要な消費エネルギーは蒸発乾燥と比較して300分の1程度であった。本成果により、電気泳動堆積による脱水はCNF/水分散液の新規脱水手法として有望であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
セルロースナノファイバーは高機能かつ持続可能なナノ繊維だが、製造工程上水を多量に含んだ水分散液の状態を出発原料として利用する必要がある。加えてセルロースナノファイバーは水との親和性が高いため脱水に多大なエネルギー及び時間が必要であり、フィルムや乾燥体、樹脂複合材製造に向けた脱水工程の効率化が求められている。本成果によりCNFの産業利用におけるコスト要因である脱水工程の改善が期待でき、持続可能な社会の実現への貢献が期待できる。
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