研究課題/領域番号 |
22K20602
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0604:社会経済農学、農業工学およびその関連分野
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
倉澤 智樹 愛媛大学, 農学研究科, 助教 (90961201)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 地下ダム / 琉球石灰岩 / X線CT / 間隙構造 / フラクタル / 連結確率 / 透水係数 / 間隙率 / 地下水流速 / X線CTスキャン / 移流分散モデル / 流体シミュレーション |
研究開始時の研究の概要 |
島嶼農業の要を担う水利施設である地下ダムでは,貯水域の水質汚染が顕在化しつつあり,汚染の実態解明や将来予測手法の開発が急がれる.一方,貯水域に分布する琉球石灰岩は不均質性の高いユニークな地盤材料であり,内部の物質輸送シミュレーションには一般材料に適用される移流分散モデルを適用できない可能性があるものの,十分な議論なしに適用され続けている.そこで本研究では,ラボ・フィールド試験,X線CTスキャン,流体解析を駆使し,琉球石灰岩内部の物質輸送現象に対して,移流分散モデルが適用性できるのか,を詳細に評価する.
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研究成果の概要 |
本研究では実験やX線CTと流体・物質輸送解析を連携した高解像度モデリングによって,琉球石灰岩内部の地下水流動特性や物質輸送現象の定量化・モデル化を図った.60個の石灰岩サンプルを対象にX線CTによる間隙構造解析を実施し,間隙率と間隙の連結性を示す連結確率との相関性に加え,フラクタル性を明らかにした.また,間隙モデル内部での流動シミュレーションによって,石灰岩内部に速度スケールの大幅に異なる地下水流動経路が混在していることを確認した.さらに,シミュレーション結果から取得した流量情報から地下水の通りやすさを示す透水係数を算出すると,流動方向に大きく依存する,つまり異方性を示すことがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地下ダムの貯留域を構築する琉球石灰岩の地下水流動や物質輸送特性を理解することは,地下ダムにおける地下水質の管理にとって根幹を成す.本研究では,X線CTによる琉球石灰岩の間隙構造解析によって,地下水の流動経路となる間隙のフラクタル性や連結性を定量化することに成功した.また,構築した間隙モデル内部での流動シミュレーションによって,地下水流動経路の混在性に加え,地下水の通りやすさを示す透水係数の異方性を明らかにした.これらの成果は,琉球石灰岩の地下水流動や物質輸送特性の理解を前進させるとともに,モデル化への一助となると考えられる.
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