研究課題/領域番号 |
22K20611
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0605:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 (2023) 岐阜大学 (2022) |
研究代表者 |
生島 詩織 国立研究開発法人国立環境研究所, 福島地域協働研究拠点, 研究員 (80967224)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 薬剤耐性菌 / キノロン耐性 / CTX-M産生 / 大腸菌 / 伝播 / シカ / 野生動物 / WGS解析 / CTX-M / ニホンジカ / キノロン / ESBL / 都市 / 森林 |
研究開始時の研究の概要 |
薬剤耐性菌は、人や家畜のみならず環境中からも分離されており、汚染された環境を介した耐性菌獲得機会の増加が公衆衛生上の問題となっている。都市近郊に生息する野生動物は耐性菌を獲得しやすく、これらの動物の移動や個体群内外の伝播を介した自然環境への耐性菌の拡散が危惧される。本研究では、耐性機序が異なる二種の耐性菌について、奈良公園に生息するシカ個体群における伝播様式を明らかにする。また、公園から連続する山系に生息するシカにおける耐性菌保有状況を調査し、公園のシカの耐性菌との関連性を分析する。これらにより、個体群内と個体群間の2つの伝播経路を視覚化し、野生動物を介した耐性菌の拡散防止に寄与する。
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研究成果の概要 |
奈良公園、奈良公園近隣山系、国立公園大台ケ原に生息するシカを対象に、薬剤耐性菌の分布および個体群内外での伝播、耐性菌の遺伝子解析を行った。CTX-M産生大腸菌やキノロン耐性大腸菌は奈良公園と近隣山系のシカに分布しており、奈良公園のシカでは個体間でクローナルに伝播していた。一方で、奈良公園と奈良公園近隣山系のシカの間では、耐性菌の伝播は認められなかった。奈良公園での分離株にはST117、38、58などのパンデミック系統が含まれていた。また、奈良公園のシカで保有率が高かった系統は、腸管外病原性大腸菌、尿路病原性大腸菌、鶏病原性大腸菌など、公衆衛生への影響が懸念される系統であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、山間部から都市部に近づくにつれてシカの薬剤耐性菌の保有率が高くなること、個体群内での伝播が生じることを明らかにした。この結果は、自然環境での薬剤耐性菌の拡散防止を検討する上で、野生動物においては人間社会とかかわりが大きいことが予想される個体群を中心にモニタリングやマネジメントを実施する必要性を示している。また、奈良公園のシカからは医療や獣医療で重要な抗菌薬に耐性の病原性大腸菌が複数系統分離されたことから、観光客等に対するシカとの適切な距離の保ち方や衛生管理の行い方についての普及啓発の重要性を示した。
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