研究課題/領域番号 |
22K20626
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐井 和人 京都大学, 医学研究科, 助教 (30962310)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がん / 細胞競合 / メカノトランスダクション / 上皮組織 / EDAC / synNotch / PRKG2 / TRIB2 / Apical extrusion |
研究開始時の研究の概要 |
上皮細胞層の中にがん原生の変異を持つ細胞が生じた時、周囲の正常細胞との細胞競合によって変異細胞が排除されるという現象が示されている。しかし、正常上皮細胞がどのように隣接する変異細胞を認識し、排除のための細胞内シグナルを駆動するのか、その分子機構は未だよく分かっていない。本研究では、近年開発された人工受容体synNotchを用いて、上皮細胞層の中で変異細胞と接する正常上皮細胞の識別・単離を行い、それらの細胞内で特異的に変化している因子のスクリーニングを行うことで、これまで明らかになっていなかった正常細胞による変異細胞の認識機構、及びその下流で制御される細胞内シグナル経路の解明を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究期間において、申請者は正常上皮細胞がどのようにがん細胞の出現を感知し排除しているか、その機構を検討した。解析の結果、正常上皮細胞は生じたがん細胞に特有の機械的性質(大きさや細胞膜の張力)を感知することでがん細胞を認識していることが明らかとなった。さらに、この機構にかかわる多数の新規制御因子を同定することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの研究から、正常上皮細胞ががん細胞の出現を感知し、上皮組織から押し出す形で排除するという現象が知られている。このがん防御機構において、正常細胞はどのようにがん細胞の出現を感知しているのか、さらに、その結果正常細胞でどのような変化が起こりがん細胞の排除につながるのかという詳細な機構は不明瞭であった。本研究は、このがん細胞排除機構において、がん細胞特有の機械的性質が感知に重要であることを示すことで、この経路において重要な課題であったがん細胞認識機構の一端を示すことができた。今回得られた知見は新たながん細胞検知手法の開発などにもつながると期待される。
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