研究課題/領域番号 |
22K20627
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山川 達也 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (20961197)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | リボソーム / リボソームタンパク質 / ヒト人工多能性幹細胞 / プロテオーム / 質量分析 / プロテオミクス / 翻訳 / Specialized ribosome |
研究開始時の研究の概要 |
人の体の中には約10万種類のタンパク質が存在すると言われている。タンパク質は、mRNAから翻訳という過程を経て生成され、体内の様々な細胞の機能や生存といった重要な働きする。この翻訳に重要な働きをするのがリボソームである。 近年の研究で、このリボソームを構成するタンパク質が細胞の種類によって異なる事がわかってきた。そこで本研究では、当研究室で改良された新たな質量分析法を用いることで網羅的に、各種細胞におけるリボソームタンパク質の違いの同定を試みる。この研究は、原因が不明なリボソー ム病に対する新たな病態解明の手がかりや、リボソームの機能差による遺伝子発現制御という新たな知見に繋がると期待される。
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研究成果の概要 |
三胚葉由来であるヒト初代細胞7種類の培養系の確立と、ヒトiPS細胞を用いた複数種の体細胞への分化誘導を習得した。これら、ヒト細胞において、各々RNAとタンパク質試料を回収した。翻訳が盛んに行われていると考えられるポリソーム分画を取得し、解析する必要があると考え、今回用いた細胞種すべてに対して、スクロースグラジエントによるポリソーム画分の回収と、そこからのタンパク質抽出を行った。これら試料を用いた網羅的マルチオミクス解析(トランスクリプトーム・プロテオーム)のためのmRNA-seq、質量分析器の扱いを習得し、引き続き解析を行っていく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リボソームは、遺伝子発現の最終段階であるタンパク質合成を担う細胞小器官である。80種のリボソームタンパク質(RP)の量的な不均一性からなるリボソームの機能特異性は発見当初から提唱されていたものの長らくその真偽は不明であった。 近年、細胞種特異的なリボソームの機能差因が報告されているものの、リボソームの主要な構成要素であるRPの量的な差についてヒト細胞での報告が限られている。ヒト細胞における細胞種特異的なRPの解析は、多くのリボソー ム病に対する新たな病態解明の手がかりとなるだけでなく、リボソームの機能差による遺伝子発現制御という分子生物学における新たな分野を開くことが期待される。
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