研究課題/領域番号 |
22K20631
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
磯部 真也 大阪大学, 大学院理学研究科, 助教 (50897147)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ヘテロクロマチン / DNA損傷修復 / R-loop / クロマチン高次構造 |
研究開始時の研究の概要 |
真核生物において、DNA修復の際には、クロマチン構造の再編が重要だと考えられているが、修復反応とクロマチン構造変化がどのように連携しているのかは未だ不明な点が多い。申請者は、クロマチン高次構造変換と修復装置をリンクする因子としてAHDC1を見出し、AHDC1が修復装置が働くための環境を整えているのではないかと着想した。AHDC1とその相互作用因子が、損傷修復時のクロマチン構造変化に果たしている機能を、クロマチンリモデリング、修復因子の集合や損傷チェックポイントに着目し、損傷応答のどのステップで、どのように働きかけているかを解析することで明らかにする。
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研究実績の概要 |
ヘテロクロマチンでは、その凝縮した構造からDNA上でおこるイベントに関与する因子はそのままの状態ではDNAにアクセスできず、クロマチン構造の再編がイベント毎に行われている。これまでに、ヘテロクロマチン因子HP1の新規結合タンパク質として同定されたAHDC1をマウス細胞で過剰発現させると、特徴的なヘテロクロマチンであるクロモセンターの形態変化を引き起こすことを見出している。AHDC1はヘテロクロマチンの高次構造変換活性を有することや、DNA損傷修復に関わるSCAI、R-loop (DNA:RNA hybrid) の解消やDNA修復時に働くBAFクロマチンリモデリング複合体と結合することを明らかにしており、AHDC1はヘテロクロマチンとDNA損傷修復を結ぶのに重要な因子であると考えた。 本研究により、AHDC1結合タンパク質のHP1、SCAI、BAF複合体について、AHDC1上の結合部位を同定した。加えて、マウスNIH3T3細胞でAHDC1 K/O株を樹立し表現型探索を行うと、自然発生的な核内全体のgH2AXの輝点が減少していること、特に、クロモセンター領域結合しているgH2AXが低下していることを見出した。また、特異的抗体を使った免疫沈降産物のqPCR解析から、クロモセンターからの転写産物がクロマチンに取り込まれている量が増大しており、AHDC1はR-loopの解消に関与すると考えられた。 これらの結果から、AHDC1は、クロモセンターでDNA損傷が生じた際、ヘテロクロマチンやR-loop構造を解消することで、損傷DNAをヘテロクロマチンからループアウトさせることに関与し、DNA損傷応答を促進するのに役立っているのではないかと考えられた。今後は、クロモセンターでの解析を通して、AHDC1がRNAを介したクロマチン構造変換に関わっている作用仮説を示したいと考えている。
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