研究課題/領域番号 |
22K20635
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
阿部 洋典 熊本大学, 発生医学研究所, 特任助教 (20914964)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 減数分裂 / 精子形成 / DNA損傷応答 / 性染色体不活化 / DNA 損傷応答 / 遺伝子サイレンシング |
研究開始時の研究の概要 |
DNA損傷応答 (DDR) はダメージを受けた DNA を認識して速やかに修復する機構であり、細胞周期の制御に関与することがよく知られている。DDR は減数分裂における染色体制御においても重要な機能を果たしており、特にオスでは活発な DDR がXY 染色体特異的に長期間継続する。しかし、このような特定の染色体にのみ DDR を維持させる分子メカニズムは不明である。本研究では DDR を活性化させる ATR キナーゼを性染色体上にリクルートする減数分裂に特異的な因子が存在すると仮説を立て、遺伝学的・生化学的手法を駆使してその因子を特定し、オス特異的な性染色体制御の分子メカニズムの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
オスの減数分裂において非相同なペアを持つ XY 染色体では遺伝子が一斉に不活化する性染色体不活性化が起きる。性染色体不活性化の失敗は精母細胞の消失を誘導するため、これは減数分裂の成功に極めて重要な現象であるが、その制御機構の詳細は不明である。これまでに DNA損傷応答 (DDR) シグナルが性染色体不活性化の開始と維持に重要な役割を果たすことが分かっていた。本研究では性染色体特異的に DDR シグナルを活性化する分子機構を生化学的アプローチにより解明するための新規マウスツールを開発した。本研究を進めることで、減数分裂に特異的な DDR シグナル制御因子の新規発見が見込まれる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DDR シグナルは損傷 DNA によって活性化されるが、性染色体では損傷 DNA が存在しなくても DDR シグナルが継続的に活性化される。このような現象は減数分裂に特異的であり、分子機構を理解することでその生物学的意義に迫ることができるようになる。減数分裂の失敗は不妊に直結することから、その制御機構の詳細な理解は生殖医療への貢献が期待できる。また DDR シグナルは体細胞分裂の制御にも極めて重要であり、その制御機構の破綻は細胞のガン化の引き金となる。そのため、本研究で開発した新規マウスツールはがん発生機序の解明やがん克服に向けた創薬研究における新規標的因子の探索への応用が期待される。
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