研究課題/領域番号 |
22K20637
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
伊藤 直樹 学習院大学, 理学部, 研究員 (20965834)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ミトコンドリア / ユビキチン修飾 / ユビキチンリガーゼ / 脱ユビキチン化 / 鉄代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
ミトコンドリアユビキチンリガーゼMITOLの結合候補タンパク質を探索した結果、ミトコンドリア以外で機能するタンパク質や脱ユビキチン化酵素が同定された。本研究ではMITOLの新規基質および脱ユビキチン化酵素との相互作用解析を行い、ミトコンドリアにおけるユビキチン修飾の生理的意義と作用の異なるユビキチン修飾の使い分け機構の解明を目的とする。さらに、ミトコンドリア上で起きるユビキチンシグナルを包括的に理解するために、MITOLのユビキチン化基質の新たなスクリーニング法を構築する。
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研究成果の概要 |
ミトコンドリアはATP産生のみならず、様々な細胞内シグナル伝達の中継所としても重要な役割を果たしている。本研究ではミトコンドリアの主要なユビキチンリガーゼであるMITOLに着目し、ユビキチン化の生理的役割と作用の異なるユビキチン鎖付加機構の解明を主目的とした。解析の結果、MITOLは小胞体のHMOX2をユビキチン化することでミトコンドリアへの鉄供給を促進し呼吸能維持に寄与していることが示唆された。また、MITOLは脱ユビキチン化酵素OTUD4と協調し、Parkinに付加するユビキチン鎖の種類を決定している可能性も見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MITOLが小胞体上のHMOX2を介してヘム分解を促進し、ミトコンドリアへの鉄供給を制御するという発見は、これまで不明瞭だった鉄供給機構の解明にとどまらず、ミトコンドリアをハブとしたオルガネラ連携の新たな事例ともなり、ミトコンドリア、小胞体、生命金属研究の発展に寄与すると考えられる。また、MITOLとOTUD4の解析結果は様々な場所で起こるユビキチン修飾に共通した普遍的課題であるユビキチン鎖の種類の使い分け、決定因子の謎を解決する糸口となる。
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