研究課題/領域番号 |
22K20649
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
吉成 祐人 群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (30961388)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ホルモン / 腸 / 高タンパク質食 / 栄養 / 神経ペプチド / 代謝 / 腸ホルモン / 代謝恒常性 / 偏食 / 摂食嗜好性 / 遺伝学 / キイロショウジョウバエ |
研究開始時の研究の概要 |
生物は体内の栄養バランスを適切に保つために、不足する栄養素を補うように食物を選択する。このためには、特定の栄養素を体内で感知するシステムと、その情報を行動の変化へと転換するシステムが必要不可欠であると考えられるが、その仕組みの多くは未解明である。本研究は、腸内分泌細胞によって駆動される食物選択行動への影響とそのメカニズム、さらに生理的意義を理解することを目的とする。本研究を通して、動物がどのようにして摂食嗜好性をコントロールし、体内の栄養バランスを調節しているかの一端が明らかになると考えられる。
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研究成果の概要 |
生物がタンパク質不足に対応するメカニズムはよく研究されているが、生物がタンパク質の過剰な摂取を抑制する仕組みは未解明な点が多い。本研究では、キイロショウジョウバエを用いて、高タンパク食に応答して腸内分泌細胞から分泌されるペプチドホルモンCCHamide1(CCHa1)が、タンパク質の過剰摂取を抑制することを発見した。腸由来のCCHa1は、腸へと投射する神経細胞によって受け取られ、タンパク質特異的な満腹感を調節していることが判明した。本研究により、タンパク質の過剰摂取を予防し、高タンパク質食に適応するための生理的反応を司る、腸管ホルモンと神経細胞のクロストークが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、腸内分泌細胞と神経間のシグナル伝達が高タンパク質食への適応に重要であることが明らかになった。これまでの国内外の研究では、ホルモンが特定の栄養素の過不足をどのように感知し是正するのか、またそのシステムが破綻した際の影響を包括的に調査した例はほとんどなかった。今後、腸内分泌細胞がどのようにして特定の栄養条件への適応を実現するのかを、ショウジョウバエや哺乳動物を用いてさらに研究することで、ヒトの摂食・代謝疾患の新しい治療法の開発に寄与できると考えられる。
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