研究課題/領域番号 |
22K20656
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 拓殖大学 |
研究代表者 |
前田 将輝 拓殖大学, 工学部, 准教授 (80795774)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 動物飛行 / 空気力学 / 羽根 / 羽毛 / 羽枝 / 小羽枝 / 微細構造 / 鳥 / 翅 / 飛行 / 流体力学 / 翼 / 毛 |
研究開始時の研究の概要 |
空を飛ぶ生き物の多くは空気を透過しない膜でできた翼を用いる(昆虫・翼竜・コウモリ・カエデの種子等)が、微細な毛で作られ空気をある程度通す翼を用いるものもいる(鳥の羽毛・一部の昆虫・タンポポの綿毛等)。いずれの翼も植物を含む幅広い分類群にわたって存在することから、系統や発生だけでなく物理的な要因の影響を強く受けている可能性が示唆される。本研究では「毛を利用する翼」に着目し、その微細構造は翼が経験する流体力学的な環境に応じて決まっているという仮説をたてた。さまざまな生物種の標本を使った形態の計測、拡大模型を用いた風洞での力学実験、および流れの数値シミュレーションを併用してこれを検証する。
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研究成果の概要 |
鳥の飛翔の進化において羽根の進化が果たした役割の解明を意図して、羽根の微細構造を考慮した空気力学的研究を行った。平板状の羽根モデルと、その羽弁に隙間(切れ込み)を入れたモデル群を作成し、一連のシミュレーションを行った。風速が小さく流れに乱れがなく(層流)、羽根にあたる気流の角度が小さい(低迎え角)の状況では、隙間の幅と数を増やすと、飛翔効率の指標である揚抗比(揚力を抗力で割った値)は低下する傾向にあった。流れの可視化により、羽根下面の高圧気流の一部が隙間を通って上面側へと流れ込み、上面表面の低圧領域を中和して、揚力の低下をもたらすことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鳥の羽ばたき飛行の進化は樹上説・地上説・WAIR(坂の駆け上がり)等が議論されている一方、羽根の進化については「羽根の微細構造(羽枝・小羽枝)が密に結合しており風を通さないほどよい」とか「羽弁(板部分)が羽軸を挟んで前縁側(外弁)と後縁側(内弁)で非対称であることが必要」などとされるが、裏付けに乏しい。本研究はこの点を実証する第一歩として、微細構造を考慮した羽根の空気力学に取り組み、メカニズムの解明に近づけた。今後は引き続き羽根の空気力学を進めるとともに、毛でできた翼で飛翔する昆虫や植物との比較を行い、類似性の有無や、どのような条件のもとで収斂が起きているのかを明らかにしてきたい。
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