研究課題/領域番号 |
22K20658
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
柴田 幸政 関西学院大学, 生命環境学部, 講師 (80314053)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 老化 / コンドロイチン / C. elegans / ADAMTSプロテアーゼ / 基底膜 / cell migration / 細胞外マトリックス / リソソーム |
研究開始時の研究の概要 |
基底膜は老化に伴い、ダメージを受けることが知られているが、基底膜による老化抑制効果はこれまで知られていなかった。本研究では、基底膜関連因子による老化抑制の存在を明らかにする。仮説としては、 基底膜の状態をインテグリンがモニターし、エンドサイトーシスおよびリソソームの活性をコントロールすることで、オートファジーに干渉し寿命を制御するというモデルを考えている。本研究で基底膜による老化抑制機構をC. elegansで明らかにすることは、将来的な哺乳類への研究の展開や、老化予防薬開発に繋がっていく。
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研究成果の概要 |
コンドロイチンは細胞外マトリックス中にプロテオグリカンとして存在し、線虫ではコンドロイチンの摂取で寿命が延びる。しかし、寿命と健康寿命の調節における内因性コンドロイチンの役割は、研究されていない。今回我々は、コンドロイチン重合因子(ChPF)であるMIG-22の機能獲得型変異により、コンドロイチンが上昇し、線虫の寿命と健康寿命が大幅に延長されることを明らかにした。mig-22(gf) 変異体の長寿は SQV-5/コンドロイチン合成酵素 (ChSy) に依存していた。さらに、mig-22(gf) 変異は、MIG-17/ADAMTS メタロプロテアーゼの異常による健康寿命の減少を効果的に抑制した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コンドロイチンは膝の痛みや肌の皺などの加齢性の症状に対する医薬品やサプリメントとして流通している。また、C. elegansでコンドロイチンの摂取によって寿命が延びることが報告されている。しかし、摂取したコンドロイチンではなく、内在性のコンドロイチンが老化に及ぼす効果はわかっていなかった。今回の成果は、内在性のコンドロイチンが老化を抑制することを明らかにした初めての例である。また、細胞外マトリックスによる老化抑制の実態はほとんど分かっておらず、今回、コンドロイチンの抗老化作用を示したことで、基底膜で老化抑制を行う分子が明らかになり、老化を疾患として治療する足掛かりを示すことができた。
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