研究課題/領域番号 |
22K20659
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
三田 真理恵 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (20964878)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 蛍光タンパク質 / ライブイメージング / 蛍光タンパク質センサー / プローブ / 脳 / 神経 / バイオセンサー / 脂質アンカー |
研究開始時の研究の概要 |
脳を構成する神経細胞同士の隙間にある生体分子が、脳機能を調節していることが明らかになりつつある。例えばある神経疾患に伴う細胞間隙のイオン濃度の異常は、広範囲にわたる神経活動の一時的な不活性化と、その空間伝播を引き起こす。この現象は拡延性抑制と呼ばれるが、その伝播機構は不明である。本研究課題では、神経細胞間隙の様々な生体分子の動態を可視化する蛍光タンパク質型プローブと、プローブを発現するマウス脳スライス標本を用い、拡延性抑制の伝播を担う細胞外分子の動態を可視化解析し、神経疾患の伝播機序の解明に貢献する。
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研究成果の概要 |
脳卒中や外傷性脳損傷などにおいては、神経細胞の刺激応答が一過的に失われた状態が、損傷部位から脳の広範囲に広がることが知られている。拡延性抑制と呼ばれるこの現象はこの神経回路網とは無関係に伝播することから、細胞間隙を拡散するなんらかの分子が伝播を担うと考えられている。本研究では、細胞内分子の動態解析に用いられるツールである蛍光タンパク質センサーを細胞間隙に導入・固定化し、細胞間隙に存在する分子の時空間的な動態を追跡することに成功した。この細胞間隙イメージング技術は拡延性抑制を引き起こす分子の同定や病態解明につながると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来のライブイメージング技術は、主に細胞内の分子動態を詳細に可視化し、細胞機能の解明に貢献してきたが、細胞間隙における細胞間相互作用を解明するための、細胞外の分子動態に適用されている例は少ない。脳卒中や脳損傷に起因する拡延性抑制は脳スライス標本で再現できるため、細胞レベルでの病態と細胞間隙における分子動態をイメージングから理解する格好の研究モデルとなる。拡延性抑制の伝播メカニズム解明は、脳機能障害の抑制薬の開発や、回復を早める治療法の確立などにつながることが期待できる。
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