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陸上植物における弱光適応形質の平行進化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K20665
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0703:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
研究機関富山県立大学

研究代表者

孫田 佳奈  富山県立大学, 工学部, 助教 (10963415)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード光環境適応 / 柵状組織細胞 / 平行進化 / 自然選択 / エコゲノミクス / 適応進化 / 光環境
研究開始時の研究の概要

光は植物の生存を左右する環境要因であり、光環境への適応は植物の種多様性の創出をもたらす。「葉の柵状組織細胞の逆円錐形化現象」は、陸上植物が幾度も獲得してきた弱光適応機構であることが示唆されているが、その適応進化メカニズムはわかっていない。そこで本研究では、強光⇔弱光環境に生育する複数の近縁な分類群ペアを用いて、表現型および遺伝子における自然選択の影響を推定する。逆円錐形細胞が陸上植物において系統平行的に選択されてきたことを検証することで、弱光適応が植物多様性の創出に寄与することを裏付ける。

研究成果の概要

弱光環境に適応的な表現型である逆円錐形の柵状組織細胞はユキノシタ科のダイモンジソウにおいて系統平行的に進化してきた。本研究では、細胞の形の変異を生じる遺伝的基盤を明らかにすることを目的とした。ダイモンジソウのゲノムを新規に構築し、ゲノムスキャンによって細胞の形に対応する遺伝的変異を探索した。2地点における光生態型(明所型と暗所型)を対象に、塩基置換や染色体構造変異を探索したものの、細胞の形の分化に関わる遺伝領域を特定するには至らなかった。今後、詳細な形態計測に基づく個体の選抜を行うこと、また発現量変動やエピジェネティック変異の関与にも着目し遺伝的基盤を明らかにしていく必要があることがわかった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

本研究では柵状組織細胞の形の変異を生じる遺伝的基盤の解明には至らなかったものの、野生植物において細胞の形には変異の幅があること、そして可塑性によって細胞の形が柔軟に調整されている可能性を示唆することができた。弱光適応機構の解明においては、このような表現型の変異を包括的に評価していく必要があることがわかった。また、本研究では新規にダイモンジソウのゲノム配列決定を行った。これは、これまでゲノムがほとんど解読されてこなかったユキノシタ科植物において大きな前進となった。今後のゲノム研究の基盤となるデータを提示できた点も、本研究の成果の一つである。

報告書

(3件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 高山型ダイモンジソウの実体を探る;日本アルプス集団の進化的起源2023

    • 著者名/発表者名
      孫田佳奈、池田啓、永野惇、瀬戸口浩彰
    • 学会等名
      日本植物分類学会第22回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 日本アルプスにおける高山型ダイモンジソウの系統的起源2022

    • 著者名/発表者名
      孫田佳奈、池田啓、永野惇、瀬戸口浩彰
    • 学会等名
      日本植物学会第86回大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-09-01   更新日: 2025-01-30  

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