研究課題/領域番号 |
22K20667
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0703:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
福井 翔 東京農業大学, 生物産業学部, 助教 (20965553)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 交雑 / 外来種 / サケ科魚類 / 進化 / 適応進化 / 種間交雑 |
研究開始時の研究の概要 |
自然状態で生じる異種間交雑は、生物の種分化や適応放散の原動力となりえる一方で、人為的影響に伴う在来種と外来種の間で生じる異種間交雑は、保全生物学上の主要課題のひとつである。不均質な生息環境のもとで、在来と外来、交雑個体がそれぞれ異なる適応度を示しうる中、外来遺伝子がどのように拡散し、頻度を増減させるのかという「問い」は、適応進化と外来種の遺伝的リスクの両面において本質的な課題である。 本研究では、交雑個体の生態情報に富む北海道空知川の外来カワマスと在来イワナの交雑をモデルに、中立遺伝マーカーを用いて在来種と外来種および交雑個体の空間分布と頻度を明らかにし、適応関連候補遺伝子を探索する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,在来,外来および交雑個体の分布と存続に関与する生態・遺伝基盤を明らかにすることである。具体的には,交雑個体の生態情報に富む北海道空知川の外来カワマスと在来イワナの交雑をモデルに,野外調査とRNA-seqを用いた適応関連遺伝子の探索を実施した。本研究の結果から,高水温河川と低水温河川の間で,代謝,免疫に関する遺伝子の発現量が異なっていることがわかった。こうした遺伝子が,交雑個体の水温適応に関与していると考えられた。今後,これまでに集めてきた過去の生態・環境データと照らし合わせ,適応関連候補遺伝子の時間的な分布の変動を追跡する研究の基盤が整った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不均質な生息環境のもとで,在来と外来,交雑個体がそれぞれ異なる適応度を示しうる中,どのような遺伝子が在来と外来,交雑個体の適応に寄与するのかという「問い」は,適応進化と外来種の遺伝的リスクの両面において本質的な課題である。本研究の成果は,野外における在来と外来,交雑個体の適応に寄与する遺伝基盤の一端を明らかしたものであり,今後は,研究代表者がこれまで集めてきた生態・環境データと照らし合わせることで,在来と外来,交雑個体の存続に寄与する生態基盤の解明に貢献することが期待される。
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