研究課題/領域番号 |
22K20678
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
橋本 昂之 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (10965742)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | マーモセット / MT/MST / 運動残効 / カルシウムイメージング / MT/MST野 / 予測符号化 / 大脳皮質 / 情報処理 / 錯視 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、視覚的な動き情報処理を担う大脳皮質MT/MST野の神経活動が、錯視(運動残効)を引き起こすメカニズムを解明することである。非ヒト霊長類(マーモセット)に運動残効を引き起こす動き刺激を提示し、2光子イメージングを用いてMT/MST野の神経活動を大規模計測する。刺激前後の神経活動動態を解析することで、運動残効の神経基盤と、運動残効を生み出す動き処理回路の作動原理を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、大脳皮質MT/MST野の神経回路が錯視(運動残効)を引き起こすメカニズムを解明することである。錯視を引き起こす視覚刺激を呈示しながら、二光子イメージングを用いてマーモセットMT/MST野の神経活動を観察した結果、MT/MST野の神経活動が3種類に分類できることがわかった。3種類の神経活動は、予測符号化モデルのシミュレーションから推定した、感覚情報・予測・予測誤差を符号化する3種類の神経活動とよく似ており、予測誤差を符号化する神経活動が運動残効に対応することがわかった。これらの結果から、運動残効が、MT/MST野の予測的な動き情報処理によって引き起こされる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
視覚情報が眼から脳に到達するまでには遅延があるため、脳は直近の感覚入力をもとに次の瞬間にどのような感覚入力が得られるかを予測していると考えられている(予測的情報処理)。大脳皮質感覚野に予測的情報処理がどのように実装されているかについて、計算論的神経科学の観点から様々なモデルが提唱されているが、実際の脳内における予測的情報処理の神経基盤についてがまだ詳しく分かっていない。本研究では、MT/MST野の神経活動と予測的情報処理の関係性を示唆する結果を得ており、霊長類の脳内において予測的情報処理がどのように実装されているかについて新たな知見を提供するものである。
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