研究課題/領域番号 |
22K20688
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
眞鍋 達也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (60944006)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | タウ / 慢性腎臓病 / アルツハイマー病 / 神経炎症 / ミクログリア / マウスモデル / タウオパシー |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病(AD)患者脳はアミロイドβ(Aβ)の蓄積と神経細胞内のタウの蓄積で特徴づけられる。一部のADは遺伝子変異で発症することが知られ、そのような変異をもつ遺伝子改変マウスは治療薬候補の同定に重要な資源として利用されている。しかし、全てのマウスモデルではAβの蓄積は見られる一方、タウの蓄積は確認されておらず、この不完全性が治療薬発見の障害になっていると考えられる。我々は、老齢のネコはAD患者で見られるタウの蓄積を示し、慢性腎臓病(CKD)を高確率で発病することに注目し、CKDをADのマウスモデルに発症させることで、タウが蓄積するのではないか解析を行う。
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研究成果の概要 |
アルツハイマー病(AD)の創薬開発にはAD病理を完全に再現するマウスモデル開発が急務である。しかし、既存モデルではタウ病理の再現は成功できていないため、AD発症の機序は全くわかっていない。本研究では、脳内におけるタウの総量がマウスで不足していると考え、慢性腎臓病(CKD)を介した総タウの増加を高齢のマウスで試みた。その結果、脳内タウの増加は確認されなかったが、タウのリン酸化が亢進することを初めて確認した。このことから、CKDはリン酸化を促進させることでタウの凝集を引き起こし、ADの増悪因子になりうることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CKDは加齢性疾患であり、孤発性AD患者の一部でその併存が知られている。タウに関連したAD―CKDの病態類似性について臨床報告が相次いでいるが、未だマウスモデルを用いた検証はなされていない現状であった。本研究では初めてCKDという慢性的な疾患がADなどの神経変性疾患に深く関連する脳のタウに影響を及ぼした上で、学術的な意義は高い。そして、AD―CKDという疾患連関研究は独自性の高い研究課題であり、臨床的にも重要な示唆を提供するとともに、ADモデル開発の向上にも深い洞察を提供する研究である。
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