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多様な脳機能の選択的制御を可能にするヒスタミン神経多様性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K20689
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

森下 良一  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (90953729)

研究期間 (年度) 2022-08-31 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードヒスタミン / 脳
研究開始時の研究の概要

ヒスタミンは様々な脳機能を調節することが知られ、ヒスタミンを標的とした創薬への期待は高い。しかしながら、ヒスタミンによる各脳機能調節の詳細な制御機構は不明な点が多く残されている。本研究では視床下部の結節乳頭核に局在するヒスタミン神経系が異なる投射先を介して多様な脳機能を区別して調節するかを解明することを目標とする。遺伝学的手法により分類した各ヒスタミン神経経路において、各脳機能に関わるヒスタミン神経亜集団を特定し、これまで十分に検証されていなかったヒスタミン神経の多様性を明らかにする。

研究実績の概要

本研究は視床下部の結節乳頭核に局在するヒスタミン神経系が、異なる投射先を介して多様な脳機能を区別して調節するかを解明することを目的として、特定のヒスタミン神経回路の選択的操作が記憶・学習あるいは覚醒状態に与える影響について解析する。
初年度に確立した行動実験系を用いてヒスタミン神経集団の選択的操作が条件付け記憶の想起に与える影響について解析を進めている。ヒスタミン神経選択的にCreリコンビナーゼを発現するHDC-Creノックインマウスの結節乳頭核にCre依存的に光駆動性塩化物イオンポンプであるハロロドプシン(eNpHR)を発現するAAVを注入し、ヒスタミン神経にeNpHRを発現させた。光ファイバーを介しeNpHR を発現するニューロンに緑色光を照射し、ヒスタミン神経を選択的に抑制した。学習課題は音と報酬の古典的条件づけを用いた。この課題では頭部固定下で音の提示とスクロース水(報酬)の提示を行う。予備実験では、音提示の1秒後にスクロース水を与える条件づけを行った後、条件づけ音の提示だけで記憶を想起させると、ヒスタミン神経の活動が上昇することを確認している。また、逆行性トレーサーを用いた解析により、個々のヒスタミン神経が亜集団を形成しそれぞれ固有の投射先を有することを示唆する結果が得られた。これらの結果に基づき、特定のヒスタミン神経回路の選択的操作を光遺伝学あるいは薬理遺伝学的に行うことで、条件付け記憶の想起に寄与するヒスタミン神経回路が明らかになりつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ヒスタミンGRABセンサーを用いたファイバーフォトメトリーにより、特に記憶想起時のヒスタミン放出の領域特異性と時間的動態を明らかにすることを目標としていたが、本研究での利用に適したヒスタミンGRABセンサーを選定できず、実験条件を確立させることができなかった。

今後の研究の推進方策

前年度に引き続き、特定のヒスタミン神経回路の光遺伝学的操作あるいは薬理遺伝学的操作が記憶想起や覚醒状態に与える影響の解析を進める。また、本研究での利用に適したヒスタミンGRABセンサーを探索するため、継続して条件検討を進める。その後ヒスタミンGRABセンサーを用いたファイバーフォトメトリーにより、特に記憶想起時のヒスタミン放出の領域特異性と時間的動態を明らかにする。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Dynamics of histamine neuron activity during memory retrieval2023

    • 著者名/発表者名
      Yoshikazu Morishita, Ayame Kubo, Kyoka Nishimura, Rintaro Shimizume, Yuki Takamura, Yuto Yokoi, Natsuko Hitora-Imamura, Masabumi Minami, Hiroshi Nomura
    • 学会等名
      第46回 日本神経科学大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 記憶想起を制御するヒスタミン神経の活動動態2023

    • 著者名/発表者名
      森下 良一、久保 絢女、西村 京華、清水目 倫太郎、髙村 侑希、横井 雄斗、人羅(今村) 菜津子、南 雅文、野村 洋
    • 学会等名
      日本薬学会第143年会(札幌)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-09-01   更新日: 2024-12-25  

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