研究課題/領域番号 |
22K20690
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
|
研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
毛塚 大 東北医科薬科大学, 東北医科薬科大学, 助教 (00965600)
|
研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 免疫抑制型レセプター / Pir-B / gp49B / 神経可塑性 / 免疫抑制レセプター / MIA / ミクログリア / 発達障害 / 自閉スペクトラム症 / 抑制型免疫受容体 / 母体免疫活性化(MIA) |
研究開始時の研究の概要 |
脳ミクログリア細胞の機能異常はシナプスの形成不全、ひいては自閉症などの精神疾患発症の原因となる。本研究では、過剰な炎症を抑えることで免疫の暴走から身を守る「抑制型免疫受容体」に着目し、ミクログリアにおける発現や機能を分子レベル、あるいは個体レベルで評価する。これにより免疫系の受容体という従来と全く異なる分子群が、精神疾患における新たな治療ターゲットとなる可能性を得ることができる。
|
研究実績の概要 |
ストレス負荷および抗うつ薬であるケタミン投与後のラット海馬におけるNogoシグナル関連タンパク質の発現変化の可能性を検討した。ストレス負荷により海馬でのBDNFが有意に減少し、NgR1とPirBの発現の有意な増加を示した。これらは、亢進したNogoシグナル伝達の亢進が、ストレス経験に対する神経可塑性の減衰に寄与している可能性を示している。また、ケタミン投与により海馬のNgR1の発現が抑制した。これは、抗うつ薬治療によって神経可塑性が亢進する可能性を示している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
成果をJournal of Psychiatric Research誌に投稿し採択された。
|
今後の研究の推進方策 |
妊娠中のウイルス感染やストレスは、炎症性サイトカインの産生やミクログリアの機能異常を介した胎児脳のシナプス形成異常を引き起こす。これらは統合失調症や自閉症スペクラムといった精神疾患を発症するリスク因子と考えられている。今後の研究では妊娠中の感染やストレスを模した「母体免疫活性」マウスモデルを用いてPir-Bの精神疾患発症における影響とそのメカニズムを解明することで、従来と異なる新しい治療ターゲットの創出を目指す。
|