研究課題/領域番号 |
22K20700
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
山田 新太郎 関西医科大学, 医学部, 研究員 (70960607)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 冬眠 / チアゾリン類恐怖臭 / ハムスター / 低体温 / in vivo Ca2+ imaging / 人工冬眠 / 2-Methyl-Thiazoline(2MT / 神経 / 先天的恐怖臭 / in vivo カルシウム イメージング / in vivo イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
冬眠中の哺乳類では体温や代謝が低下し、それに起因して、脳の機能維持に重要な神経活動も著しく機能が抑制される。一方で、冬眠中でも呼吸や記憶などの生命を維持するための神経活動は維持されていると考えられている。しかし、これまでに冬眠中の脳波などは測定されているものの、個々の神経細胞をライブイメージングで解析した例は無く、冬眠中の神経活動にはいまだに謎が多い。 本研究では、冬眠しているハムスターを用いて、冬眠中の神経のカルシウムイメージングを行い、冬眠の低体温における神経活動の実態解明を目指す。
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研究成果の概要 |
冬眠動物は、極度の低体温でも神経活動を維持できる驚異的な能力を持つ。しかし、冬眠を任意に誘導させることの難しさや、冬眠中の神経活動を測定する手法がこれまで少なかったことから、冬眠中の神経活動には不明な点が多い。本研究では、チアゾリン類恐怖臭を用いて冬眠動物ハムスターに冬眠様な低体温を誘導できることを示し、さらにin vivo Ca2+ imagingを冬眠様低体温下のハムスターで行った。結果として冬眠様低体温のハムスターでは神経活動は維持され、カルシウムスパイク数の減少、スパイク幅の増加が起きること、また非冬眠動物のマウスでは低体温下でカルシウムの異常な流入が起きることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により匂い物質を利用した非侵襲的な冬眠様低体温誘導法を確立した。また、遺伝子組み換え動物がほとんど存在しない冬眠動物にアデノ随伴ウイルスを用いた遺伝子導入を行い、超小型蛍光顕微鏡を用いin vivo Ca2+ imagingを可能にした。これらの技術を利用することで、これまで難しかった冬眠における比較研究や、冬眠行動における神経機能の解明につながることが期待される。さらに、本研究でわかってきた冬眠動物の神経がもつ低体温におけるカルシウム恒常性のメカニズムが解明されることで、虚血などを始めとした神経障害や疾患の治療などにもつながる可能性が示唆された。
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