研究課題/領域番号 |
22K20701
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
高田 裕生 沖縄科学技術大学院大学, 神経回路ユニット, ポストドクトラルスカラー (90952747)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | SnRNAseq / 皮質脊髄路ニューロン / 手指巧緻性 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトや高次な非ヒト霊長類に特有な運動である手指の巧緻運動には、大脳皮質一次運動野から投射される皮質脊髄路と脊髄運動ニューロンの直接路が関与している。しかし、霊長類の皮質脊髄路ニューロンがどのように手指の巧緻運動に関連する神経回路機構を獲得したかについては未だ不明な点が多い。そこで、本研究では逆行性神経トレーサーとシングル核RNA解析技術を用いてマウス、マーモセット、マカクザルの皮質脊髄路ニューロンの遺伝子発現を解析する。本研究の成果は、手指の巧緻運動に関与する神経回路基盤の解明への寄与が期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、逆行性のウイルスベクターをマウスやサル脊髄内に注入してて、皮質脊髄路を形成し、指の運動を制御しているニューロンを同定して、そのニューロンで特異的に発現している遺伝子がないかをSnRNA-seqを実施して調べた。まず、前段階としてSnRNA-seqで用いることができる逆行性ウイルスベクターの調査や、サルのサンプルに適した核の分離方法を確立した。その後、実際にウイルスベクターを注入したマウスやサルを使用してSnRNA-seqを実施した。そして、マウスやサルの皮質脊髄路ニューロンの割合や発現している遺伝子、分布しているニューロンの種類などについての知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中枢神経損後の手指の運動機能障害は残存することが多く、多くの患者の自立した生活を制限する。そのような患者を減らすことができる治療法の立案のために、手指の巧緻運動に関与する神経回路機構を解明するために本研究は実施された。これまでに一次運動野に分布するニューロンの遺伝子情報は調べられていたが、手指の運動を制御するニューロンに絞った研究は行われていなかった。本研究の成果はヒトが手指の巧緻動作をどのように制御しているのかを明らかにする助けとなり、手指の機能回復の研究が大きく発展することが期待される。
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