研究課題/領域番号 |
22K20707
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 和佳 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任研究員 (80967274)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | タンパク質分解 / SNIPER / PROTAC / 多価型ペプチドライブラリー法 / BCR-ABL / がん / 融合タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、多価型ペプチドライブラリー法を用いて、慢性骨髄性白血病の原因因子であるBCR-ABLに結合する多価型ペプチドリガンドを開発し、BCR-ABLを分解するSNIPER/PROTACを開発することを目的とする。BCR-ABLを分解するSNIPER/PROTACは既に複数種開発されているが、 それらはキナーゼ阻害剤を標的リガンドとするためキナーゼ阻害剤に耐性化した BCR-ABLを分解できない。本研究で開発するSNIPER/PROTACは、キナーゼ阻害剤とは別のドメインでBCR-ABLに結合すると想定され、キナーゼ阻害剤に耐性化したBCR-ABLを分解することできると期待される。
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研究成果の概要 |
本研究は、慢性骨髄性白血病(CML)の原因分子であるBCR-ABLを分解するSNIPER/PROTACの開発を目的とする。当初の狙いは多価型ペプチドライブラリースクリーニング法を用いてBCR-ABLに結合する多価型ペプチドリガンドを取得することであったが、細胞膜透過性の低下が懸念されたため、低分子の新規リガンド探索も並行して試みた。その結果、キナーゼ阻害剤(TKI)とは異なる部位に結合するリガンド候補化合物を複数種同定し、これを組み込んだSNIPER/PROTACがTKI耐性変異型BCR-ABLの分解を顕著に誘導することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでにCML治療薬として多くのTKIが開発されてきたが、キナーゼドメインの遺伝子変異による薬剤耐性株の出現が問題になっており、新たな作用機序をもつ治療薬の開発が望まれている。本研究で開発したSNIPER/PROTACはTKI耐性変異型BCR-ABLの分解を誘導したことから、これらキメラ化合物はTKI耐性を克服することが期待できる。今後同様にしてTKIとは異なる部位に結合する多価型ペプチドを取得し、これを導入することでより効率よくBCR-ABLの分解を誘導するSNIPER/PROTACを開発できる可能性がある。
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