研究課題/領域番号 |
22K20718
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
古庄 仰 静岡県立大学, 薬学部, 助教 (20964943)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 一細胞分析 / アミノ酸 / メタボロミクス / 誘導体化 / 質量分析 / 1細胞分析 / がん |
研究開始時の研究の概要 |
がんの悪性化とアミノ酸の関連が近年指摘され、アミノ酸代謝経路が新規治療標的として注目されている。代謝変動や薬剤応答などの詳細な解析には、不均一ながん細胞を個々に測定する1細胞レベルでのアミノ酸メタボロミクスが有用であるが、メタボロミクスで汎用される質量分析では超微量なアミノ酸の検出が困難であった。本研究では1細胞分析にアミノ酸の誘導体化を取り入れることで高感度な質量分析法を開発する。1細胞アミノ酸メタボロミクスという新たな視点からがん細胞の代謝・薬物応答を評価し、新規治療標的の探索に貢献する。
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研究成果の概要 |
がん細胞1個内の代謝変動を明らかにすべく、誘導体化とナノエレクトロスプレーイオン化-質量分析を組み合わせたアミノ酸の高感度分析法を開発した。細胞1個を採取した微小ガラスキャピラリー内での高効率なアミノ酸誘導体化と、質量分析計での高感度検出を両立する試薬を見出し、単一細胞内アミノ酸の検出に成功した。細胞1個の測定と大量の細胞から調製した抽出液の測定で得られたアミノ酸プロファイルは類似しており、単一細胞レベルでアミノ酸量を評価できることが示された。また、同条件で培養した細胞間で含量が顕著に異なるアミノ酸が認められ、本法を用いることで細胞個々の状態を反映した解析が可能であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん細胞は、同一の腫瘍組織内でも個々に異なる遺伝子発現や代謝状態を有することが知られている。生命活動の最終産物である代謝物を細胞の個性を考慮しつつ解析することは、病態の詳細な理解や悪性化メカニズムの解明、治療薬の効能評価等に有用である。しかし、単一細胞レベルでの代謝物解析は、感度や選択性の点で技術的課題が存在した。本研究の遂行により、単一細胞内のアミノ酸を高感度に検出して細胞間での差異を捕捉することが可能となった。現在、開発した手法を他の代謝物の分析に展開中であり、将来的に網羅的な代謝物解析を実現することで、がん研究や創薬の推進に貢献することが期待される。
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