研究課題/領域番号 |
22K20720
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0801:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 山陽小野田市立山口東京理科大学 |
研究代表者 |
今堀 大輔 山陽小野田市立山口東京理科大学, 薬学部, 助教 (10963556)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 天然物化学 / がん予防 / がん細胞毒性 / Hibiscus tiliaceus / Citrus sphaerocarpa / テルペノイド / がん / 熱ショックタンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
抗がん剤治療時に、薬剤に抵抗性を有するがん細胞が残存し、がんの再発を起こすことが問題となっている。熱ショックタンパク質(HSP)は、抗がん剤によるアポトーシスを速成することで抗がん剤抵抗性に関与していると考えられている。本研究では、siRNAを用いたノックダウンによる腫瘍形成抑制が報告されているHSP105に着目し、抗がん剤感受性増強作用評価を行い、HSPs発現および局在制御メカニズムの解明およびがんモデル動物での有効性の評価を行う。これらの研究成果に基づき、抗がん剤抵抗性を改善する天然有機化合物の提案を行う。
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研究成果の概要 |
オオハマボウ、カノコソウ、カボス、エビスグサについて含有成分の探索を行い、8種の新規成分を単離し、構造決定するとともに、seguinoside Kなどの既知成分を同定することができた。また、seguinoside Kが、化合物単独ではがん細胞の細胞増殖および細胞形態に影響を与えることなく、抗がん剤の感受性増強作用を示すことが明らかになった。加えて、がん幹細胞毒性評価を行ったところ、valerianalignan Iおよび IIは、がん細胞およびがん幹細胞に対して有意な毒性を示すことが明らかになった。新規成分であるsphaerocarpain ⅠおよびⅡは、がん細胞に対して有意な毒性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗がん剤感受性増強作用評価を行うことで、化合物単独ではがん細胞の細胞増殖および細胞形態に影響を与えることなく、抗がん剤の感受性増強作用を示すseguinoside Kを見出すことができた。また、抗がん剤抵抗性の原因のひとつとして考えられているがん幹細胞に対して毒性作用を示すvalerianalignans I および IIを見出すことができた。これらの化合物について継続して作用メカニズムの解明を行い、その有用性を明らかにすることで、がん再発予防に貢献できる化合物の開発につながる可能性がある。また、本研究では、今後天然由来医薬シーズの探索を進めるうえで有用な化合物ライブラリーを構築した。
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