研究課題/領域番号 |
22K20734
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
吉原 雅大 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60963618)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Notchシグナル / 遺伝子組換えマウス / シングルセル解析 / エピジェネティクス / バイオインフォーマティクス / 組織学 / 解剖学 / Notchシグナル伝達経路 / 形態形成 / 誘導 / 肝内胆管 / Delta-Notchシグナル経路 / 発生生物学 / タンパク質間相互作用 / 発生工学 / 誘導現象 |
研究開始時の研究の概要 |
シグナル経路の作動原理を明らかにすることは発生学の中心的課題のひとつである。Delta-Notchシグナル経路は進化的に保存され、ショウジョウバエで多くの知見が得られた反面で哺乳動物の臓器発生については説明できない点が多い。申請者は、本経路において誘導現象が起こっている可能性を数理解析により新たに見出した。そこで本研究では遺伝子組換えマウスを用いて生体内でのNotchシグナルを細胞レベルで可視化し、数理解析結果と照合することでその妥当性を検証する。哺乳動物の臓器発生における本経路の作動原理を明らかにすることは発生学的に重要であるのみならず、革新的医療(人工臓器開発等)の一助となる可能性がある。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、Notchシグナルのマウス生体内可視化および肝内胆管形成機序の解明を目的とした。前者(Notchシグナルのマウス生体内可視化)については、査読付き英文科学雑誌に総説(1編)として、その方法を報告したほか、査読付き英文科学雑誌に原著論文(2編)において腎臓や精巣での可視化を具体的事例として報告した。後者(肝内胆管形成機序の解明)については、査読付き英文科学雑誌に原著論文(1編)において、シングルセル解析を行って報告した。具体的には、Notchシグナルが門脈周囲の胆管上皮前駆細胞に限局する機構として、エピジェネティクスレベルでの制御や造血細胞によるバリアを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、肝臓の中にある胆管が形成される仕組みとして、Notchシグナル経路に着目した。具体的には、マウスの中で、Notchシグナルを受容する細胞を可視化して同定する技術の確立を目指した。実際、この可視化技術の詳細、並びに、腎臓や精巣においてこの可視化技術が有効であることを論文で報告した。さらに、特定の細胞(門脈とよばれる肝臓内の静脈に隣接した未分化な細胞)だけがNotchシグナルを受容して、胆管になっていく仕組みとして、Notchシグナルを構成する遺伝子の発現が分子レベルで制御されていることや、肝臓の中の造血細胞がNotchシグナルの伝播を空間的に阻害することも別の論文で報告した。
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