研究課題/領域番号 |
22K20735
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
實石 達也 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (50963039)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 神経線維束 / 脳白質解剖 / Tractography / 白質解剖 / 脳神経画像 |
研究開始時の研究の概要 |
高次な視覚情報は脳内の後頭葉の一次視覚野から、物体認識情報は腹側視覚路へ、空間的情報は背側視覚路へ伝達され、この2経路で並列的に処理されると考えられている。しかし、この2経路間の機能的・構造的な結合の詳細は不明である。 申請者は、ヒト脳の白質解剖により、この高次視覚情報の2経路を結合する神経線維束を同定した。本研究は、神経線維束に着目し、ヒト脳にて上記の2経路で処理される認知機能(図形認識や運動連想)を解析し、高次視覚情報処理の神経基盤の一端を解明することを目的とする。 本研究は、視覚障害などのリハビリテーション分野、高次視覚が関連する失読症や視覚発達障害などの理解の一助になると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では、高次視覚野である側頭葉後方の紡錘状回FGと高次感覚野である頭頂間溝IPSを結合する新規神経線維束IPS-FGの構造と機能を解析した。 MRIを用いた解析では、構造的結合性に加え、機能的解析として安静時機能的MRI解析を行ったが、神経線維束IPS-FGの構造的結合性との間に著明な関連性は見られなかった。高次視覚処理課題の解析を実施したところ、図形認識や運動指示に関する課題時に、頭頂後頭溝IPSと紡錘状回FGの両領域に反応が見られた。また、IPS内側に位置する頭頂後頭溝POSにおいても後頭葉視覚野(V1、V2)との構造的結合性が高いことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
視覚情報は日常生活の様々な場面に大きな役割を果たしているが、高次視覚情報の処理は不明な点が多い。視覚情報は一次視覚野から物体認識の情報は腹側経路へ、空間的情報は背側路へと伝達され処理されると考えられ、本研究の対象となった頭頂間溝IPSは背側経路、紡錘状回FGは腹側経路に位置している。本研究の結果からは、これらをつなぐ神経束が図形認識や運動指示に関連する可能性が示された。 加えて、頭頂間溝IPSの内側に位置する頭頂後頭溝POSも視覚野との構造的結合性があることが示され、これらの結果は、読書や図形認識など高次の視覚に関する基礎的な理解に寄与すると考えられる。
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