研究課題/領域番号 |
22K20742
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
梅田 涼平 大分大学, 医学部, 助教 (90966300)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | VRK1 / zebrafish / 小頭症 / 運動機能異常 / 脳・神経 / 行動解析 / ゼブラフィッシュ / 神経変性疾患 / 神経形態解析 |
研究開始時の研究の概要 |
VRK1はヒトにおける脊髄性筋萎縮症や小頭症を呈する神経変性疾患の原因遺伝子の一つであり、VRK1遺伝子をノックダウンさせたマウスでは運動機能低下を認めることが報告されている。しかし、VRK1の中枢神経系における生理作用は未だ解明されておらず、神経変性疾患の病態分子機構に対してVRK1がどの様な役割を担うのかはほとんど知られていない。本研究ではVRK1遺伝子欠損ゼブラフィッシュを作製し行動生理学、分子生物学、形態学などの多角的な手法を駆使して解析することで、中枢神経系におけるVRK1の新たな生理機能の解明および、VRK1を介する神経変性疾患の病態分子機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究ではヒトにおいて小頭症や運動機能障害を特徴とする神経変性疾患の原因遺伝子の一つであるVRK1に注目し、VRK1を欠損させたゼブラフィッシュ(VRK1KO)を作製・解析することで、VRK1が関与する小頭症や運動機能障害の分子メカニズム解明を目指した。 VRK1の欠損により神経細胞の減少を引き起こし、自発行動量の減少や不安様行動の異常を認めた。特にゼブラフィッシュ前脳領域における核膜形成異常およびヘテロクロマチンの増加および運動神経を含む神経細胞増殖の減少が、VRK1の関与する疾患の病態基盤に寄与する可能性が大きいこと示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではVRK1遺伝子欠損ゼブラフィッシュモデルを用いて小頭症および行動の異常などを認めた。さらに神経細胞における核膜形成の異常や神経増殖の減少など神経細胞に形態的な異常を認めた。以上より、VRK1が寄与する中枢神経系における小頭症や運動機能障害を特徴とする神経変性疾患に関連する病態基盤の一部を解明した。これまでにVRK1が寄与する小頭症や運動機能障害を特徴とする神経変性疾患のメカニズムについての報告はほとんどなく、本研究の結果はVRK1が関与する病態基盤の解明の一助となると示唆される。
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