研究課題/領域番号 |
22K20743
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
花田 保之 宮崎大学, 医学部, 助教 (80964965)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 血管新生 / 細胞極性 / 細胞運動 / イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
生物の組織は、細胞の複雑な移動や変形によって構築される。本研究では、血管が新たに作り上げられる現象である血管新生に着目する。血管新生は、既存の血管から、新たな血管が出芽し、伸長して、血管網が構築される現象である。血管新生においては、血管を構成する血管内皮細胞が、血管を伸ばすために複雑に移動するだけでなく、血液の通り道として機能するために管腔を作りながら、血管が形作られる。この間、血管には血流が流入し、その力の影響を内皮細胞が受けることがすでに知られている。本研究では、内皮細胞の移動と管腔づくりが、血流の影響を受けながらどのようなメカニズムで進むのかを、イメージング技術を用いて明らかにする。
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研究成果の概要 |
血管新生は、既存の血管から新しい血管が出芽し、伸長して新たな血管網が形成される現象である。この現象においては、内皮細胞の移動により新生血管が伸長するのと並行して、血管内腔が形成される。このとき、内皮細胞の前後軸方向および頂底軸方向の細胞極性が出現し、現象が進行するが、これら2つの極性形成がどのように統合されているかは、明らかになっていない。 本研究では、内皮細胞における2種類の細胞極性のマーカーとなる分子種を複数同定した。また、血管周囲細胞であるペリサイトが、これらの細胞極性動態に変化を与え、血管新生における血管の伸長を促進することが明らかになってきた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
血管新生は、新しい血管を増生する現象であり、生体組織の発生で不可欠であることはもちろん、腫瘍や炎症といった病態にも深く関与する。本研究は、血管新生で不可欠な、血管の伸びと内腔の形成という2つの現象がどのように連関して起こるかを明らかにすることを目指すものである。この問題は、2種類の細胞極性が一つの現象の中でどのように制御されるかを知るうえで、血管生物学だけでなく発生生物学において一般性の高いもので、生物学一般においても学術的重要性は高い。また、血管増生の制御機構の解明は、医工学の観点からも重要な基盤となると想定される。
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