研究課題/領域番号 |
22K20760
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮本 佑 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任研究員(常勤) (90965336)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肝臓 / 門脈 / マクロファージ / スカベンジャー受容体 / 貪食 / 抗炎症 / 二次胆汁酸 / 腸内細菌 / Marco / 非アルコール性脂肪肝 / Odoribacteraceae / イソアロリトコール酸 / 門脈域 / 免疫制御 |
研究開始時の研究の概要 |
肝臓と腸管は門脈を介して直結しているため、腸管で吸収した食物由来物質や腸内細菌由来物質はこの門脈を介して肝臓に送り込まれる。本研究者はこれまでに、肝臓の門脈域に免疫応答を抑制する制御性マクロファージが局在することを明らかにした。このマクロファージは食物抗原や腸内細菌由来物質等に対する過剰な免疫応答を抑制していることが想定されるが、その生理学的・病態生理学的意味について詳細は不明なままである。そこで本研究では、本マクロファージが存在しない状況を見つけ出し、本マクロファージが存在しない場合に肝組織の免疫系や病態感受性、さらには肝機能がどのように変化するのかを解明する。
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研究成果の概要 |
肝臓には、腸管で吸収された栄養素の他に、腸内細菌やその関連物質がしばしば入ってくる。通常の肝臓ではこのような炎症誘導性の刺激に対して免疫系が過度に反応しないように制御されているが、そのメカニズムは不明な点が多く残されていた。 本研究では、肝内門脈近傍に局在し、脂質、細菌、死細胞などを貪食消化する能力を持ち、抗炎症性分子を産生する免疫制御性マクロファージを同定した。このマクロファージは臓器の入り口付近で腸管から入ってくる腸内細菌やその関連物質を貪食消化し、抗炎症性サイトカインを産生することで炎症から肝臓を保護していることを解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代社会では、生活習慣の乱れや偏った食生活などによりリーキーガットになる人の数が増加している。リーキーガットでは腸内細菌などが門脈を経由して侵入してくるため、肝臓をはじめ様々な臓器で炎症が惹起され身体の不調につながる。本研究により、肝臓門脈域の免疫制御性マクロファージが腸内細菌感染に対する生体防御および肝内炎症応答の制御を担っていることを明らかにした。今後このマクロファージの機能を高めることで、リーキーガットに伴う感染症の予防・治療につながることが期待される。
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