研究課題/領域番号 |
22K20765
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0803:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
藤 博貴 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 特別研究員 (50963237)
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研究期間 (年度) |
2022-08-31 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | A群レンサ球菌 / 宿主翻訳 / リボソームプロファイリング / 細菌毒素 / NAD-glycohydrolase / NAD-Cap |
研究開始時の研究の概要 |
A群レンサ球菌(溶連菌)はヒト特異的に感染し、咽頭炎や膿痂疹などの軽度な感染症から、劇症型レンサ球菌感染症のように致死率の高い重篤な感染症をも引き起こす病原細菌である。本菌の感染を制御するには、彼らが宿主機能を撹乱させる現象やその病態を解明することが肝要である。 本研究では、A群レンサ球菌の有する分泌毒素NAD-glycohydrolase(Nga)に着目する。我々は、Ngaが宿主のタンパク質合成を撹乱する現象を見出したが、その背景にある分子メカニズムは不明である。そこで、Ngaによる宿主タンパク質合成の阻害メカニズムを解き明かし、A群レンサ球菌の病原性を制御するための一助とする。
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研究実績の概要 |
本研究では病原細菌感染時における宿主翻訳系の生物学的意義に着目している。具体的には、病原細菌が宿主細胞に侵入した際に、宿主翻訳をハイジャックするウイルスのように病原細菌も宿主翻訳を攪乱するのか?、また宿主翻訳と病原細菌の細胞内生存との関係性は何か、という生物学的意義を見出すことを目的とした。細胞内侵入性細菌の一種であるA群レンサ球菌を培養細胞に感染させた際に、A群レンサ球菌の保有する毒素NAD-glycohydrolase(Nga)が宿主翻訳を抑制することを見出しており、Ngaのよる宿主翻訳の抑制機構を解明することで、最初に挙げた生物学的意義を見出すことができる。 今年度では、毒素分子によるメカニズムの解明を目指して、まず実験に必要となる菌株の作製に取り組んだ。Nga毒素遺伝子の欠損株や変異株、そして遺伝子相補株を作製した。またNgaの結合するRNA分子を同定するirCLIP-seq に必要な免疫沈降のために、FLAGタグ付きの融合タンパク質としてNgaを発現する株を作製した。実験に必要な変異株の作製が完了し、次にNgaによる翻訳動態の変動を捉える目的に適当な感染時間の検討やRNA結合分子の同定のためのCLIP-seq の予備検討を行った。本来の計画では、来年度にシーケンスやプロファイリングを行う予定であるが、日本学術振興会特別研究員PDへの身分の変更に伴い、今年度が最終年度になるため、結果についてはJSPSPDにおいて報告する予定である。
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